バイト先では色んな人に会えます。【文豪ストレイドッグス】

43名様 ページ43

「待つんだ！！Aちゃん！！」


「危ないです！先輩！」

「いや、お前が下がってろ、樋口。」




ここで、異能力が発動してしまったか....

Aちゃんの姿は、

黒髪から、白髪に徐々に変わり
丸い爪も尖りだし、
前髪から少しずつ小さい角が2つ生えて....






その姿まさに






「鬼か.......

フッ、面白い.......人虎もだがお前も殺りがいがある事を期待するぞ！！」


まずい！



芥川も自らの異能、羅生門を発動し
黒外套から禍狗を作り出した。




今にも、
飛び掛り
血が飛び交う瞬間が目に浮かぶように見えたが、

何方もその場で、相手を伺うようにしてとどまっている....




「やめるんだ....2人とも。
ここで、殺りあってもいい事はないよ。」

と言いながら
太宰はAの肩にそっと手を置き『人間失格』を
発動した



「ｯ..........はっ....」

Aは、強制的に異能力を解除され、
髪も黒に、爪も丸く、角もない、
元の姿に戻った


「！
なぜ止めるのですか！！太宰さん！」


「.......」

「だ、太宰....さん.......私は.............」


Aは、敦とは逆で、

自分が異能力を発動した時のことを覚えているようで、少し汗ばんで、涙が溢れそうになっていた....




「..........わかりました太宰さん
今回は退きましょう──」


「先程話したように
人虎は闇市で70億の懸賞金がかかっている」


「本当、景気のいい話だよ」

と、太宰は呆れたように手を上げた

「探偵社には孰れまた伺います、
その時素直に70億を渡すならよし、

渡さぬのなら....」


「戦争かい？探偵社と？
いいね！元気で





やってみ給えよ

やれるもんなら」





「だ、太宰さん....」

「大丈夫、少し座ってな」




「..........ｯ!

零細探偵者ごときが！
我らはこの町の暗部そのもの！

傘下の団体企業は数十を数え
この町の政治・経済の悉く根を張る！

たかだか数十人の探偵社ごとき───

三日と持たずに事務所ごとはいと消える！


我らに逆らって生き残った者などいないのだぞ！」




そうだ、
今やっと知った



コイツらは


ポートマフィア

私はなんて奴らに刃向かったりしたのだろう


明日の朝日は拝めるだろうか


私は血の気が引くように青ざめて来た




「知ってるよ、その位」




『知ってるよ、その位』？



なんの変哲もないが、


太宰さんからは


違う意味に聴こえた。

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