30話目 ページ31
ASide
さとみが出てってすぐ、僕は父に電話をかけた。
A「あいつらに手ぇ出すなっつったよな?」
父親「お前が早く結論を出せばいいだけの話だ。」
A「頼むからあいつらを傷つけないでくれ。」
父親「お前のアンサーによるんだよ。」
A「少し、時間をちょーだい。今の僕には決められないんだよ。」
少しの沈黙の後、父の声が聞こえた。
父親「わかった、一ヶ月以内に答えを出せ。」
そう言ってブチッと電話を切った。
それから僕は毎日悩み続けた。
どうしたら皆を傷つけないで済むか、どうしたら皆から離れなくて済むか。
ご飯もまともに食べてないなぁ。
そんなことも気にならないくらい悩み続けた。
スマホの電源も落として誰とも会話をしないようにした。
今誰かと話したら、僕は甘えてしまいそうで、怖かった。
毎日千件を超えるすとぷりグループラインの通知。
既読をつけることすらできなかった。
僕まだ20歳だよ。
この年で__の__を__って、無理に決まってんじゃん。
それに、あいつらは僕を______だよ。
そんな奴らの言うことなんて聞けるわけ無いじゃん。
僕が引きこもってから2週間が経った。
ホコリを被ったアンティークたち。
料理をしていないのがわかるほど、生活感のないキッチン。
毎日ベッドの上で悩み続ける日々。
動画は毎日出してるから、スターちゃんたちは僕が引きこもってるなんて思ってないはず。
とうとう、メンバーは家にまで来るようになった。
うるさく鳴り響くチャイム。
勢いよくドアを叩く音。
開けろと叫ぶ皆の声。
出たくてしょうがなかった。
皆の顔を見たくてしょうがなかった。
皆の暖かさに触れたくてしょうがなかった。
誰かに助けを求めたくてしょうがなかった。
けど、そんなことしたらホントに僕はただの弱虫になっちゃう。
泣きたいけど、泣いちゃダメだって、思うんだ。
実際、泣こうと思っても、泣けないし。
だんだん、まともに悩めなくなってきた。
いっそ、僕が死んじゃえばいいと思ったこともあった。
僕がいなくなれば、こんなことすぐに終わると思った。
けど、やっぱりいつまでも皆と居たい。でも、傷つけたくはないんだ。
ホントに、苦しいよ。
胸がキュッとしまって、どうしたらいいかわからなくなる。
僕、こんなに弱っちいんだなぁ。
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瑠李(プロフ) - 面白いです!続きが気になっています!更新待っています!頑張ってください!応援してます! (2020年5月27日 1時) (レス) id: 3c01cb7537 (このIDを非表示/違反報告)
紫闇 - 面白いです!続きが気になって仕方ない!ツキくんがいたらすとぷりはもっと輝ける気がする位面白いです! (2020年5月25日 21時) (レス) id: 34aa09820f (このIDを非表示/違反報告)
星月_hosituki_ - 面白いです…!更新待ってます…!!作者さん、涙が出てきたんですけど…。そして本当にすとぷりにツキくんいたら面白いだろうな。って思いましたね(( (2020年5月23日 15時) (レス) id: d71fa0da5d (このIDを非表示/違反報告)
悠 - この作品、好きです!これからも頑張ってください! (2020年5月23日 13時) (レス) id: 6bf186c507 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ - すごい面白い作品ですね!更新これからも楽しみにしてます! (2020年5月22日 20時) (レス) id: d922fa5f70 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白猫 | 作成日時:2020年5月12日 11時