お姫様大好き王子と婚約者その2 (ページ42)

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92話ページ42

貴方「(何だろう…あの人…)」

そっと彼の身なりを確認してみる。

貴方「(普通の身なりだけど…靴が動きやすいものだし…それに片手だけ手袋?怪しすぎる)」

レオンハルト「ミレー?どうした?」

お兄様に声をかけられてハッとする。

貴方「いえ、何でもないです」

ブルーノ「何かあれば自分達にすぐ言ってくれ」

カイ「大事な家族……だから隠し事……しないで」

リヒト「俺も何でも聞くからね」

ヴィクトール「何か気になるのだろう?」

私は素直に頷けずにさっきの所に視線を戻す。

するとそこにいた人はいなくなっていた。

貴方「(いない…一体どこに?)」

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ステージには熱い気持ちが伝わってきて僕とモモはハイタッチを笑顔で交わす。

それに客席は大いに盛り上がる。

そっと彼女を見ると何かを探すみたいに落ち着きがなかった。

ユキ「(何かあったのか?)」

モモ「どうかした?」ｺｿｯ

ユキ「いや、あの子の様子が」ｺｿｯ

モモ「どうしたのかな?」ｺｿｯ

一瞬だけど僕と目があってその顔は焦りに彩られていた。

ユキ「何かあったみたい」ｺｿｯ

モモ「この後の1部の休憩の時に聞いてみよう?」ｺｿｯ

ユキ「それもそうだ……」ｺｿｯ

その時誰かの叫び声が聞こえた。

貴方「ユキさん、避けて!」

ミレー様の叫びに近い声を聞きながら僕はその場に立ち尽くしてしまう。

見知らぬ男がナイフをもって僕の方へ真っ直ぐ走ってきていた。

モモ「ユキ!」

貴方「止めて!」

彼女が僕の前に飛び出し鮮血が飛び散った。

男の目も驚きに見開かれる、まさか他の人を刺してしまうとは思ってなかったのだ。