お姫様大好き王子と婚約者その2 (ページ30)

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80話ページ30

意識が薄れていくなか私はある人の名前を口にした。

貴方「ユ、キさん、ごめん、なさい」

私が怒らなければこんなことにならなかった。

また、言い過ぎてしまったのだろう。

これからのことよりも謝罪の方が強かった。

そのまま、意識は暗闇に落ちていった。

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彼女が街で何者かによって連れ去られたと報告が入って僕は自分を責めた。

ユキ「僕のせいだ……僕のせいで……彼女が……本当に、ごめんなさい!ごめ、ん、なさ、い」

モモ「ユキのせいじゃないよ、ましてや婚約者ちゃんのせいでもない、これは誰のせいでもないんだよ」

モモは強いて悪いのはと付け足してきた。

モモ「強いて悪いのは二人ともなんだよ、立場が違うからこそ、心配の度合いってものが違うんだよ、お互いがもう少し歩み寄れば……」

モモの言う通りで全ては僕が彼女に自分の理想などを押し付けたのがいけないのだろう。

それに彼の言う『立場が違うからこそ』……

この言葉が大きく胸にのし掛かってきた。

確かに立場の違いからすれ違いが起きて今回みたいなことになったんだ。

そんなことを考えていると広間の扉が開いた。

カイ「集合が……掛かったけど、二人とも大丈夫?」

ブルーノ「特に婚約者の方が落ち込んでいるな」

レオンハルト「もしかして……僕の妹をいじめたのか?そんなことをしたならこの僕が許さないからな!」

リヒト「まぁまぁ、レオ兄ぃ、落ち着きなよ」