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78話 ページ28
一週間後の早朝のこと
貴方「ん、うん?」
見慣れた天井と花の香りに包まれて目を覚ました。
隣を見ると椅子に座ったままうたた寝をしているユキさんがいた。
貴方「風邪引いちゃうよ」
そして、近くにあった薄手のブランケットをかけた。
軽く反応をしてそのまま静かに寝息をたて始めた。
貴方「寝ないで私の看病をしててくれたんだ」
婚約者の優しさに心があったくなっていた。
貴方「私が意識を失ったあと、ユキさんが運んでくれたんだよね、大丈夫だったのかな?」
ーーーーーーーーーーーーー
ユキ「ん?」
貴方「あ、ユキさん」
おはようございます、そう言いたかったのに彼はいきなり思い切り抱き締めてきた。
貴方「ユ、ユキさん?」
何も言わずに更に強く抱き締めてきた。
貴方「あ、あの」
ユキ「心配したんだよ、また、誰かを失うんじゃないかって……怖かった」
私は彼を抱き締め返した。
貴方「心配かけてごめんなさい」
ユキ「でも、キミがあれ以上怪我しなくてよかったよ」
貴方「私が意識を失ったあと大丈夫でした?誰かに追われたりとかは……」
ユキ「追われはしなかったけど、この前の奴らに会ったからちょっとだけ戦った」
私は思わず彼の顔を両手で包んだ。
ユキ「えっとミレー様?」
貴方「怪我とかしてませんか?目立った傷はないけど、どうして」
ユキ「え?」
貴方「危ないことしないでください」
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