32.RYUJI side ページ33
「隆二、ちょっといいか？」
事務所にいると直人さんに呼ばれた
「なんですか？」
「ちょっと見てほしい動画があるんだ」
そう言って直人さんはYouTubeを開いた
「A！？」
「やっぱりそうか！？
マネージャーが見つけたんだが
俺はあのペンションで会っただけだし
あとは臣が写真で見せてきた時に
見たぐらいだったから
確信が持てなかったんだよ」
その動画でAは俺たちの曲
“空に住む”を歌っていた...
ありがとうって言えないまま
あなたに逢えなくなってしまったけれど
I'm living in your sky
この空に 僕はいる
誰よりも愛してた…
いつまでも愛してる
まるで臣に向かって歌っているように聴こえた...
ヤバい、泣きそう。。。
「これはAが載せてるんですか？」
「それが、、、
解説の欄を見てくれ...」
“この10日後に彼女はこの世を去りました
この歌詞のようにありがとうと言えなかったと
話してくれました。
そして心から愛していると。
彼女の想いを愛する彼に伝えたくて
投稿しました。
どうか彼に届きますように”
「Aはもうこの世にいない？」
「隆二、臣に話した方がいいと思うか？」
俺は言葉が出なかった...
「本当にAさんなのか
確認してからにするか？」
「これはどう見てもAですよ
あいつは歌も上手かった。。。」
2人で話し込んでいたらドアが開き
臣が入ってきた。。。
「2人してヤラシイ動画でも見てるんすか？w」
「「臣！！」」
「動揺し過ぎでしょw
別にヤラシイ動画見てても
俺は大丈夫ですよww」
咄嗟に停止ボタンを押したのだが
臣の言う通り動揺しすぎた
手があたり再生ボタンを
押してしまった。。。
『いつまでも....愛してる....』
彼女の歌声が部屋に響いた・・・
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作者名：アン | 作成日時：2023年12月28日 23時
