【鬼滅の刃】鬼殺隊の姉はそして愛された

何故ここに ページ21

今日も今日とて鬼退治。
最近妬ましいのは桃太郎。
だってさ、鬼しかいない鬼ヶ島に行ってさ、そこにいる鬼全部倒してお宝持って帰ったんでしょ？

私だって、目に付く生き物全部鬼ならこんな鬼退治さっさと終わらせてる。
お宝はいらないけど、すごーくあっさり鬼を倒しました。で終わる桃太郎の物語がとても妬ましかった。閑話休題。

因みに私が夜、鬼を狩る時には軍服に似たワンピースを着ている。パッと見は少しかわったワンピースだな？と思う程度、だと思う。因みに色は白い。何故か？

「黒だと怪我、分かりにくいですから」

蘭が笑顔でそう言ったのだ。
確かにね、黒は血は隠せるよ。
白は隠せないよね。うん。
でもさ、真夜中にさ、真っ白な髪に真っ白な軍服着てさ、目立たないようにするの、どれだけ大変かわかる？
白って降伏を表す色なんだけど？
白旗って存在をご存知？？

なんて、言えない。何せ鬼殺隊の隊服も真っ白だったから、言ったら最後。特大ブーメランだ。

「オノレ、オノレェェェッ！何故まだ鬼殺隊が居る！何故だ、何故───」

疑問をまき散らしながら霧散していった鬼。

鬼殺隊はいません。私も鬼なので、ただの同族殺しですどうも。

私の持つ日輪刀は、ゲーム風に言うとレイピア並みに細くなっている。現代の傘に仕込めるように、だ。
軽くはなったがなんだか折れそうで少し怖い。
今はもう、刀鍛冶なんていないから、折れたり刃こぼれしたら自分で直すしかないのだけれど、その際うっかりミスで怪我をしてみろ。鬼に負わされた怪我よりも治りが格段に遅かった。
日輪刀は、私にとっても脅威なのだ。(部屋に昔鬼殺隊の子達が使ってた刀が置いてあるが必要最低限しか触らない。因みに手入れをした際大怪我をして私は一人、一週間ぐらい寝込んだ時期がある。)

今夜狩った鬼の数は四人ほど。
返り血は塵にならないので私の軍服ワンピースは見事に殺人犯のそれと遜色ない。

ので、さっさと帰ろうと、裏道を歩いていて自宅すぐ側の公道に出たその時、ばったりと人と出くわした。
思わずぶつかり、倒れそうになるが腕を掴まれて危機は免れた。

が。

「ッとすまねえ…って桜之？」

腕を掴んだのは、天元で。

その周りには元鬼殺隊、現男性教師陣が勢揃いしていた。

………危機は免れたどころか、ここからが本当の危機だと、半ば放心しながらも私は悟ったのだった。

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