呼んで ページ47
今回炎柱を助けることにした虹柱だがそこには理由があった。
炎柱の色が、消えかけていたのだ。
色が消える、それは死を意味する。
色が表すのは感情だけではない。未来すら表せてしまう。事故であれ、故意であれ、寿命であれ、色が消えかけているということは近いうちに死ぬと言われてるのと同義だった。
だから虹柱は柱合会議の際に炎柱を見た時に気にかけてはいたのだが、こんな早いとは。
だが、虹柱が助けたことにより色はまた復活した。
…きっと、これはしてはいけないことなのだと思う。
けれど知ってて我慢できるほど大人じゃないのよ、と天とやらに少し悪態をついた。
そして、柱合会議で気になった人がもう一人。
それが終わったら、私は──…
「鬼に逃亡を促すなど隊律違反そのもの!桜之!おまえは処罰を受けたいのか!」
「…近いうちに、きっと罰が当たるよ」
「…桜之?どうした、いつもの元気がないぞ!」
「…杏寿郎、お姉ちゃんって呼んでよ、ね?」
「むぅ。よく意味はわからないが分かった!姉上!」
その声に嬉しそうに微笑む虹柱。
だがその意味がやはりよくわからない炎柱は首を傾げるのみだ。
そして「処罰でもなんでも好きにしていいよ」と告げると来た時同様一瞬で去っていった。
***
「あっ、実弥だぁ〜」
「…ンだよてめえか。こんなとこで何してやがる」
「見回りだよ。実弥は?」
「俺は任務帰りだが文句でもあんのかァ?」
「ある」
「アァん!?」
思わずガンを飛ばすも虹柱は平然としている。
というか、慣れているので。
「お姉ちゃんって呼んで」
「…てめえ本当に頭いかれてやがんなァ」
「実弥、一回しか呼んでくれたことないじゃない」
「その一回で満足してろよクソアマ!」
「いいから。…ね?」
お願い、といつもと違う調子で言われたものだか風柱が一瞬戸惑う。
が、多分このままじゃ言ってくれるまで付き纏われるとわかっているのでア゛ーーもう!と頭をガシガシかきながら「姉貴」と呼んだ。
「……」
「…ンだよ」
「ううん、ありがとう、実弥」
えへへ、と笑いながらそう言った虹柱の笑顔は珍しく年相応のもので、案外幼く見えた。
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三隣亡 - とても面白いです!!これからも頑張ってください!続きを楽しみにしてます! (2020年11月24日 16時) (レス) id: 94f806d9d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜もっち | 作成日時:2020年11月18日 20時