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隙あらば ページ35

「ところで…善逸の隣のベッドで寝てるの…なに?」

わいわいと少し賑やかになってきたところで先程から疑問に思っていたことを聞いてみる。
…いやだって、気にならない?頭、イノシシなんだけど…ピクリとも動かないんだけど…!?人?人なのあれ?いや、色的に人だけれども!!
思わずなに?と聞いてしまったが誰?と聞くべきだったろうか。とちょっと後悔する虹柱だったが基本的に誰もが初対面で何それとなるので仕方がないと言える。

「あぁ…アイツは伊之助。俺たちと同期で一緒の任務だったんだけど、なんか喉、やられてるらしいよ」
「伊之助!」

今伊之助の存在に気づいたらしい炭治郎が善逸のベッドに身を乗り出す。そして何やら謝り出した。…何があったのかわからないが、同期ってこんな仲良くなれるものなのか、と虹柱は不思議に思った。
私にも同期がいたら、こんな仲良くなれてたのかな──

「姉ちゃん?」
「…え?あ、なに?善逸」
「いや、ぼーっとしてたからどうしかしたのかと思って…」
「あはは、なんでもないよ。可愛い弟達だなぁって見てただけ」

…考えても無駄か。いないものはいないし、同期なんて今更作れるものでもないし。
可愛い弟妹もいるんだから、不満など一切ない!と誤魔化すように善逸の頭を撫でる。私はあと何度この黄色いたんぽぽに触れられるだろうか。
撫でられている善逸はウィッヒヒと奇妙な笑い声をあげながらも嬉しそうだった。

「…弱クテ、ゴメンネ」

明らかにあー喉やられてんなぁという声が隣のベッドから聞こえる。炭治郎が必死に励ましているがその落ち込みようは凄まじいようで。

「…えっと、伊之助っていつもあんな感じなの?」
「いや…いつもはもっと喧しいんだけど…俺が助けにいけなかったから拗ねてるのか?伊之助」
「炭治郎、その言い方は酷くない?流石に伊之助可哀想じゃない?」
「大丈夫だ!善逸も喧しいぞ!」
「ちょっとォ!?俺も可哀想!」

同期の中でもこの三人はとりわけ仲がいいんだろうな、と漠然と思った。
なんだろう、この見てるだけで癒される三人は。三人が三人とも空気清浄機でも搭載してるんじゃないだろうか。

その後、落ち込む伊之助にまるで付け入るように「姉御」と呼ばせることに成功した虹柱は心の中でグッと拳を握った。

不安→←可愛いがすぎる



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三隣亡 - とても面白いです!!これからも頑張ってください!続きを楽しみにしてます! (2020年11月24日 16時) (レス) id: 94f806d9d0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:桜もっち | 作成日時:2020年11月18日 20時

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