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おむらいす ページ22

「…お前、料理できたのな」
「?お姉ちゃん、なんでもできるよ?」
「ハイハイ、ネーチャン」

桜之が作った料理は……美味いが料理名は覚えられなかった。というか聞いたことがなかった。
卵に包まれた赤い飯を見た時にはどんな地獄が待っているかと冷や汗もんだったが食べてみればめちゃくちゃに美味い。思わずぺろりと完食してしまうくらいに。
それを見越していたのかおかわりを平然と差し出してくる桜之にもう一度問いかけた。

「これ、なんつーんだっけ」
「だから、オムライス。」
「…おむ、らい…?」
「ケチャップライスに卵焼きをかけた物のことを言うの。…まぁ知らなくても無理ないか」

けちゃっぷらいすってなんだ?
きょとん、としている間に虹柱がふとこちらを見たと思えばスっ、と流れるように手を伸ばしてきた。
そして口の端に付いていたけちゃっぷなるものを親指で拭い

「付いてたよ。天元、こどもみたい」

と、親指を舐めながら言ってのけたのである。
…なんだこいつ、本当に俺様のこと弟扱いしてきやがる……。
嫁にすらそんなことされたことが無かった音柱は数秒沈黙した。処理落ちである。

「食べ終わったら置いといて。洗っとくから」

そう言われ、やっと現実に戻ってきた音柱はお、おう、とだけ返し、木でできたすぷーんなるものを手に取ってまたオムライスをひと口。
…美味い、けど。
一緒に食べるのだと思っていた音柱は少しだけ不満そうな顔をした。
部屋を出ていこうとしていた虹柱はその表情を見てクスリと笑うと音柱の隣に座り直し頭を撫でる。

「ンだよ」
「寂しそーな天元のために食べ終わるまでここにいてあげる」
「ッハァ!?誰がいつ寂しそうな顔したって!?」
「天元が、今。…ほら、いいから食べて食べて。それともスプーン使いづらい?あーんしてあげよっか?」
「…ッ…っざけろ!阿呆柱!!」
「虹ですー!!お姉ちゃんに向かってなんてこと言うのかな天元はー!!」

やはり振り回される。食事一つでこんなにも。
全く譜面通りにいかない虹柱の行動に苛立ちと共に若干の楽しさが混ざっているのだからそれが更に悔しくて。
お返しとばかりに

「姉貴だからだよ」

と言い返せば、虹柱は少しきょとんとした後凄く嬉しそうに笑うものだから、やっぱ適わねぇな…と音柱は頭を掻いた。

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三隣亡 - とても面白いです!!これからも頑張ってください!続きを楽しみにしてます! (2020年11月24日 16時) (レス) id: 94f806d9d0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:桜もっち | 作成日時:2020年11月18日 20時

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