恋愛模様 (ページ8)

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大西風雅〔福本大晴〕ページ8

中3の夏、私は少し年上の彼氏(たいせいくん)と2人で浴衣を着て花火大会に行った。会って最初に交わした言葉は軽い挨拶だけ。期待していた褒められるような言葉は一つもなかった。

大晴「遅れてごめん、」

『大丈夫だよ〜浴衣似合ってる、かっこいいね！』

大晴「ん、ありがとう」

『うん、！』

少し寂しいなと思いつつ、照れてるだけだと自分に言い聞かせて2人で屋台を回った。

会話はあまり無くてすごく寂しい。

たいせいくんは、私のこと本当に好きなのかな
私はすごく好きなのに、なんで私だけこんなに寂しいんだろう

『あれ、たいせいくん？』

背が高いたいせいくんは人混みをかき分けてそさくさと屋台の方へ行く。
急いで追いかけるけど私がいないことに彼は気づかない。

やっと追いついても私の足が痛くなるばかりで何度も何度も先に進んでいってしまうたいせいくん。

手、繋げば離れてもわかるのに

大晴「ごめん、俺人に合わせるの苦手やから。」

『うん、知ってる。大丈夫。』

言い聞かせるように口に出して、
人が少なくなっている場所の方へ行き、また2人並んで歩く。

それだけで嬉しくて、手のことなんて忘れていた

『っあ！ちょっとまって！』という言葉は彼には届かない

遠くに見えなくなった彼はとっくに私の側から消えていた
はぐれてしまってから外側のベンチで休んでいた

足も痛いしもう歩く気力なんてない