撮影 ページ11
･
監督「じゃあいきまーす。3.2.……」
『"＿＿＿ 川村くん"』
壱馬「"なに？"」
『"なんで私にそんなに馴れ馴れしくするの？"』
壱馬「"何でって……仲良くしたいから？"」
『"………私になんか構わないで"』
壱馬「"は？"」
『"誰にでも愛されてる川村くんなんかに、私の気持ちなんか分かる訳ない！！"』
壱馬「"おい、A…"」
『"辞めて！私の名前を呼ばないで。"
…私の名前、汚いんだよ…』
壱馬「"っ……"」
監督「………カット！！OK！」
監督の声で一気に緩む現場。
『ふぅ………』
この役、入り込みやすくて助かった。
………違うか、私がこの役と同じ人生だったから助かった……か。
壱馬「ねえ、Aちゃん」
『ん？』
壱馬「なんでさっき…アドリブ入れたん…？」
…彼が言いたいのは、さっきのシーンでの私のセリフだろう。
"私の名前、汚いんだよ"
『………無意識に、言ってたの』
壱馬「っ…」
『人に私の名前を呼ばれたら、たまに思い出すんだ
あの時、必死に私を求めながら名前を呼び続けた父親と元彼の顔が…ね。笑』
再び蘇る記憶に、気がつけば右手で左肩を触っていた。
壱馬「……俺は、汚いなんか思ったことないから」
その手に重なった彼の手
壱馬「お願いやから、そんな顔せんといて…？
……俺やったら、思い出させることなんかしないのに…」
『え？』
壱馬「………好き、」
『…………かずまく、』
壱馬「いや、何もない、ごめん。……もうそろそろカットあるから行こか」
『あ、うん…』
パッと手を離し、歩き出した壱馬くん
前を歩く彼の背中を見ていると
不意に樹を思い出した
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こう(プロフ) - 凄く、面白かったデス。涙が止まらなかった。自分も誰かを愛せることできるかな？自問自答せずにはいられないな。 (2020年7月18日 23時) (
レス) id: fce0a8cbd6 (このIDを非表示/違反報告)
杏都(プロフ) - 海音さん» すみません、1と2は年齢制限かかっているので設定しないと出ません(泣) (2020年7月8日 3時) (レス) id: 525275f8a6 (このIDを非表示/違反報告)
らび - 私も、1と2が見つけられないです(泣) 是非読んでみたいのですが… (2020年6月27日 9時) (レス) id: 81849ab2d0 (このIDを非表示/違反報告)
海音 - 最初から読みたいのですが見つけられないです。 (2020年6月24日 8時) (レス) id: 67690ece25 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：杏都
| 作成日時：2020年3月3日 23時
