貴方と刻む記憶を Ⅱ (ページ42)

今日:30 hit、昨日:1 hit、合計:224,827 hit

記憶 86 ページ42

・

壱馬side

"でも、まだテレビには出たくない"

和やかになった部屋で、そう言い放った健さん。

リキヤ「……なんで？」

「ずっとジムにも行ってないし、自分で言うのもあれだけど、まだ体調が万全って訳じゃないから

…だから、まだ…。今でたら逆にファンの人達に心配させちゃうし」

陣「……健太、そんなこと言う奴やったんやな」

「は？馬鹿にしてます？」

陣「ちゃうねん！！笑尖ってた時とかそんなこと考えるような奴やなかったから」

瑠唯「……Aちゃんが変えてくれたのかもね、笑」

「…………そうかも、笑」

海青「よっしゃぁ～じゃあ健太さん一緒に筋トレしますか！！」

「えﾞっ」

龍「うわ～…健太さんお疲れ様です」

「やだよ！！」

陸「じゃあ僕と行く！？」

「それもやです！！」

壱馬「でもまずはご飯食べて下さい」

陣「せやで。痩せすぎや」

「……うん」

少しだけ表情が曇った健さん。

そんな健さんの肩をちょんとつついて、2人で廊下に出た

「…壱馬にだけ言わせて、」

壱馬「何かあるんだろうとは思ってました」

「……最近、ご飯食べても全部戻しちゃってて…。食べようとしても匂いでダメになったり、してる」

壱馬「……ゆっくりでいいですから」

「リハとか振り落としには参加する。」

壱馬「…倒れますよ、今の健さんだと」

「分かってる。けど、家に1人でいたくない…っ。また、探しに行っちゃうから、」

壱馬「………来るのはいいですけど、踊るのは、俺が嫌です。無理させたくないです」

「…ありがとう、」

そう言って微笑む健さん。

瑠唯さんが言ってた、Aさんのおかげで変わったという言葉。

俺からしたら、Aさんのせいでこんなにも弱々しくさせてしまった、そう思った