貴方と刻む記憶を Ⅱ (ページ23)

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記憶 67 ページ23

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陣side

陣「…………………は？」

健太から出た言葉がぐるぐると頭の中で再生される

慎「活動休止、って、」

瑠唯「何考えてんの？」

「…ごめん、なさい。でも、こうするしかないんです」

リキヤ「………もっと詳しく、理由を説明して？」

「………A、日に日に症状がわるくなっていって、色んなことを忘れるようになったんです。けんたがここだよ、今日はこれだよ、って伝えると、彼女は毎回泣くんです。"沢山忘れてごめんね"って…っ。………もっと、もっと彼女の傍で支える時間が欲しいです。だから、」

陣「活動休止したいって？」

「はい」

壱馬「…………ほんとにそれだけ？」

静まり返っていた部屋に響いた壱馬の声

少し睨みを聞かせた目が、健太を見つめていた

壱馬「まだ、ありますよね、理由」

「っ、ないよ、」

壱馬「嘘。昨日、本音で、…っ！」

北人「壱馬！！！！」

「ぃ、～ッ！！」

壱馬が立ち上がって急に健太の胸ぐらを掴んだ

無理矢理立たされるようになった健太が壁に押し付けられる

壱馬「ッ頼れ言うたやん！！！………っ、助けて欲しい時、頼って欲しい時、ちゃんと言ってって、言いましたよね、？」

「…………っ、もう1つの理由なんか、昨日言ったのと同じだよ」

壱馬「それは俺しか知らないことです」

「…分かった。分かったから。とりあえずこの手除けて？」

壱馬「、はい」

壱馬の手から解放された健太が壁に背中を預けながらズルズルと座り込んだ

「………彼女に、けんたの存在を忘れて欲しくないから。もしかしたら今日家に帰ったらAはけんたの名前を忘れてるかもしれない。朝起きたら他人だと思われてるかもしれない。それが、怖い、っ、」

だんだんと震えていく健太の声に、言葉に、

もう誰も反抗する事は出来なかった。

リキヤ「……今活動休止して、復帰するのはいつになるの？」

「…それは＿＿＿＿＿＿＿＿＿」