reconciliation[ブラッドハウンド] ページ23
(reasonablyの続きです)
「随分と、上の空だね」
「え、あ……そう？」
心ここに在らずって感じじゃない。ライフラインは心配そうに私を見つめる。早朝、ドロップシップに集まったレジェンド達。それぞれの自室で自由に過ごしている中で私は一人、共用のソファでぼんやりとしていた。それがライフライン、衛生兵を務めるアジャイの目からは不自然に写ったようで、こうして話しかけてきてくれたのだ。
「調子が悪いの？そんな顔色でゲームは不味いんじゃない」
「あ、そんなに。ううん、大丈夫なんだけど……」
怪訝な表情で私の顔を覗き込む彼女は、ヘルスドローンを呼び、私の脈を確認する。そしてぺたりと手のひらを私の額にくっつけた。熱があるわけでもない、脈拍は至って正常と来たならばライフラインもどうしたものかねと首を捻る。体調面としてはどこも悪いところは無いのだから何だか彼女に申し訳なくなった。
「ライフライン、ありがとう。気分が少し憂鬱なだけだから……心配かけてごめんなさい」
「何も無いなら良いけどさ、アンタが倒れたらみんな慌てるんだから。忘れないで、アタシはいつ呼ばれたって飛んでいくからね！」
彼女の純粋な優しさが沁みる。本当は何が原因なのか自分でわかっていた。だから余計にライフラインにはこれ以上迷惑を掛けられないとも思う。昨日の、荷物を取りに行ったドロップシップの中でのこと、その時の記憶が朝になっても頭から離れずにこうして寂寞たる気持ちに包まれているのだ。
「はぁ……」
「A」
「わあ！」
また、ソファから転げ落ちた。なんだなんだと野次が見に来ようとするが、大丈夫です大丈夫ですからとそれらを追い払い、顔をあげる。
「ブ、ブラッドハウンド……」
「丁度良かった。今、時間はあるだろうか？私の部屋に来てほしい」
「は、はあ……」
まさに悩みの原因である本人のご登場だ。私は内心どぎまぎしながらこの人に付いて行く。まさか張本人から昨日のことを蒸し返されるとでもいうのだろうか。この人は突然どきりとするようなことも言うから、相応の覚悟をしなくては。意を決してブラッドハウンドの部屋に入るが、この人はどうにも落ち着き払った様子で私に座って、とベッドを指すと自身は近場の椅子に腰掛けた。
「今日のゲームだが、あなたさえ良ければ私と組んでもらいたい」
「えっ」
「……昨晩、感情に任せてあなたには手荒な真似をしてしまった。別の仲間と組むべきだとまで……あれは、その……私の本心ではない」
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オーキッド(プロフ) - 最高に面白くかつ文才あふれる読みやすい小説でした。ブラハ沼に見事に落とされました。ファンとして続きを楽しみにしております。 (2021年8月19日 18時) (
レス) id: 500cf8b735 (このIDを非表示/違反報告)
名無し70039号(プロフ) - ブラハの小説ってすんごいレアだと思うので素敵な作品に出会えて私感激…胸キュンが止まりません！！！！！更新楽しみにしてます！！ (2021年6月18日 10時) (レス) id: 6045cd7502 (このIDを非表示/違反報告)
椿麒麟(プロフ) - 体が痺れるぐらいとても素敵なものを読ませていただきました！更新楽しみにしております！ (2021年6月1日 7時) (レス) id: 5450775e17 (このIDを非表示/違反報告)
まるきち(プロフ) - ブラハが好きで楽しくきゅんきゅんしながら拝読させていただきました。とても幸せです(*'-'*)更新楽しみにしております！ (2021年5月24日 22時) (レス) id: 27e019c0a7 (このIDを非表示/違反報告)
たろう - 3ヶ月程前に見つけまして密かに読ませて頂いておりました。ブラハ大好きなので見つけた時は嬉しくて…読んでみたら私の中のブラハのイメージそのもの！ドキドキしながら何度も読ませて貰っています！お忙しいと思いますが続き楽しみにしています(*´`) (2021年5月23日 20時) (レス) id: b492fc9660 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：無し者 | 作成日時：2021年1月5日 22時
