No.46 ページ1
・noside
『どうしてダメなんです、スヨン博士……!我々は触れてはいけないと言うのですか?私たちも研究員のうちの一人でしょう。』
『この子を試料として解剖することの何がいけないんです?時間が無いんですよ!!』
『ジュブ島が我が国と国交を断絶すれば、後はないと思ってください。手綱を握っているのは我々だということをお忘れなきよう。』
白衣に身を包んだ研究員らしき男たちは、鬼気迫る勢いでスヨンを取り囲む。
博士、と呼ばれているスヨンは俯き息を吐いた。
SY「この子を安く扱うにはリスクが高すぎる。」
白衣のポケットの中から鍵を取りだし、すぐ側の分厚い扉を開けた。
重々しく開かれたその扉の向こうには白のベッドと机があり、ベッドの上にはAが横たわっていた。
服は病衣で目は伏せられている。
研究者たちは息を飲み、Aを見つめる。
白く透き通った肌に、長く上を向いたまつ毛。
小さな唇は、眠っているというのにほんのり赤い。
その美しい容姿に誰もが目を奪われた。
SY「もちろんあなた方もそんなつもりはないだろう。短期で効力を上げたいのも分かる。ただ、彼が我々……いや、正しくは
スヨンの言葉に
NM「スヨンさん……」
SY「上手くやるんだ。」
スヨンはそう言い、ソクジンと目配せをした。
ソクジンは頷き、Aの元に向かう。
研究員はその様子をじっと見つめていた。
JN「……A、ごめんね。」
Aのそばに膝をつき、ベッドの毛布をかけ直す。
手元から注射器を取り出し、Aの右腕に針を通した。
吸引される赤い鮮血。
メモリを読み、針を抜き処置を終えると採血したものを奥の保管室に運んだ。
SY「検査結果は追って報告する。今日はもう、午後の船で帰ってくれないか。」
スヨンは研究者たちにそう言うと、研究者たちは不満げに息を漏らす。
『頑なに我々を宿泊させようとしないのだな。まあいい。行くぞ。』
研究者たちは部屋の扉を開け、最後までAの様子を伺いながら部屋を出ていった。
JK「……はぁ、」
緊張の糸が切れたようにため息をつくジョングク。
ナムジュンはそんなジョングクの肩を叩き、眉をくいっと上げて口角をあげた。
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あい(プロフ) - このお話大好きです!更新頑張ってください!応援してます! (2021年9月4日 15時) (レス) id: fc16481cf6 (このIDを非表示/違反報告)
名無し77872号(プロフ) - あさん» 一気読み!ありがとうございます!ご期待に添えることができるように頑張ります! (2021年9月1日 10時) (レス) id: 7a2b063138 (このIDを非表示/違反報告)
名無し77872号(プロフ) - ヌナさん» ありがとうございます!頑張りますー! (2021年9月1日 10時) (レス) id: 7a2b063138 (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - はじめまして!とても面白くて初めから一気読みしてしまいました!更新大変だと思いますが、頑張ってください!!応援しています! (2021年8月25日 4時) (レス) id: bd5aea29b2 (このIDを非表示/違反報告)
ヌナ(プロフ) - ほんっっっっとに面白いです!大好きですこの作品!更新頑張ってください! (2021年8月22日 22時) (レス) id: 0a8f295be4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みぞのなか x他1人 | 作成日時:2021年8月19日 21時