たからばこ【21】 ページ23
＿＿夢を見た。
真っ暗な何も無い空間を、ただ進むだけの夢。
僕はゆっくりと、色々な記憶を思い出していた。
家族で海に遊びに行って、母さんと一緒に溺れて
そのまま僕は意識を失った。
港町で漁師をしている老夫婦に拾われ、僕は"城ヶ崎"の名前を貰った。
僕を育ててくれた老夫婦が亡くなって、僕は神に拾われて虐待を受けながら育てられた。
夏祭りのあの日、海色と再会して…僕は思わず拉致してしまった。
それから…やっと再会できて、失っていた記憶も取り戻して
僕は神に撃たれた。
僕はいつ目覚められるんだろう。
海色、泣いてたなぁ…。
きっと毎日会いに来てくれてるんだろうなぁ…。
まぁ、宇和佐組の人達もいるし…大丈夫か。
もう思い残すことはないかなぁ…。
最期に海色に会えたんだし…もう、いいかな…。
"リュウ"さん…だっけ…海色のこと…
これ以上…泣かしたりしたら…許さない…から…。
諦めてゆっくりと、目を閉じた。
｢空音!!｣
そこには先程までの真っ暗な空間ではなく、真っ白な天井が広がっていた。
空音｢海色っ…！｣
僕は勢いよく体を起こした。
ガタガタッ
すぐ隣から物音がしてそちらを見る。
そこには僕らが拉致したヤクザの彼が、目を丸くして立っていた。
確か…ヘイジと言ったか…。
ヘイジ｢ちょ、ちょっと待ってろよ！！｣
ヘイジさんは慌てて病室の外に出て行った。
僕は窓の方へ行き、締め切られたカーテンを開けた。
空音｢……眩しい｣
すると、後ろからバタバタと足音が近付いてくる。
ガラガラと音を立て、勢いよく病室のドアが開いた。
海色｢空音っ…！！｣
大好きな声が聞こえて僕は振り返った。
空音｢……み…いろ……｣
その直後、海色は僕に勢いよく抱き着いてきた。
僕はそのままバランスを崩し、座り込む。
海色｢空音…空音ぇ…！
会いたかった…会いたかったぁ…！｣
泣きながらそう叫ぶ海色。
僕も溜め込んでいたものが溢れてくる。
空音｢……僕も…僕も会いたかったよ
海色…良かった…無事で…｣
僕は海色の頭を撫でながら、泣いた。
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亜楽々木歌詞無(プロフ) - モカさん» コメントありがとうございます…！気が向いた時のみの不定期更新になってしまいますが、応援お願いします…！ (2022年8月21日 20時) (
レス) id: ac4d4cf130 (このIDを非表示/違反報告)
モカ - 凄く面白かったです‼更新も頑張ってください‼‼ (2022年8月21日 19時) (レス) @page18 id: 68e38e087b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：歌詞無 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/
作成日時：2022年8月3日 17時
