心の壊れたとある親子の話【1】 ページ2
父親｢おはよう、翡翠｣
母親｢おはよう、ご飯できてるわよ｣
翡翠｢おはよ｣
僕は席につくと出来るだけ早くご飯を食べる。
そして食べ終えると部屋に戻り、黒髪のウィッグとターコイズブルーのカラコンをつける。
前髪を赤いヘアピンで留め、違和感がないか確認する。
翡翠｢……よし｣
玄関で靴を履き、ドアを開ける。
翡翠｢行ってきます｣
学校へ向かう。
玄関で靴を履き替えると教室へ向かう。
自分の席に座り、授業の準備をする。
授業が始まっても、休み時間になっても、僕は窓の外をぼんやりと眺めているだけ。
放課後になると僕は図書館へ向かう。
翡翠｢エミさん、おる？｣
エーミール｢英美先生、です｣
翡翠｢そういうのええねん、おるならええわ
今日も宿題して帰るから、よろしく｣
エーミール｢はいはい、分からないところがあったら呼んでくださいね
受付にいますから｣
僕のクラスの担任で、図書館の担当の
一部の生徒はエーミールやエミさんと呼ぶ。
僕が入学してからずっと、僕の勉強を見てくれたり
どうしようもなくなった時に相談に乗ってくれたりしている。
頼れる人だ。
宿題を終わらせ、挨拶して帰ろうとした時だった。
翡翠｢あれ、おらん｣
受付にエミさんの姿が見当たらない。
翡翠｢おるって言うたやん…
しゃあない、探すか｣
広い図書館の中を探し始めた。
ふと、机に突っ伏して眠る緑色の塊に目が行った。
翡翠｢……｣
つんつん、とつついてみる。
｢ん…｣
小さくうなり声を上げた。
翡翠｢なぁ、ちょっと起きてや｣
と、声をかけると彼は起き上がる。
緑色のフードを被り、綺麗な茶髪に緑色の瞳をした
綺麗な顔の男子生徒であった。
翡翠｢うげ、問題児ゾムやん｣
ゾム｢なんやうげって、失礼やな
てか同じ学年なんやから色で分かれや｣
翡翠｢いや無理やから｣
隣のクラスの問題児
翡翠｢まぁええわ、エミさん知らん？｣
ゾム｢なんや、エミさんに用事か？｣
翡翠｢いや、帰るから挨拶だけせなあかんかなって｣
ゾム｢なんやつまらん、エミさんならあっちの棚の整理してんで｣
翡翠｢なんやつまらんて…てか初めに言えや｣
ゾムが指さした方へ向かい、エミさんに挨拶をして帰宅する。
エーミール｢ゾムさん、翡翠さんと話してましたね｣
ゾム｢翡翠かぁ、へぇ｣
と、黄緑色は面白そうにそう言った。
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作者名：歌詞無 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/
作成日時：2022年2月6日 23時
