私の個性に名前を与えてはいけません【呪術廻戦】【ヒロアカ】 (ページ49)

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私達は一人で立ってられないページ49

家入硝子side

初めて二人(クズ共)に会って思ったのは

コイツら、面倒くさそうだな
だった

御三家の一角、五条家の百年くらいぶりの六眼(りくがん)と無下限(むかげん)術の抱き合わせで跡取り息子…五条悟

非術師一家出身ながら…本職の呪術師に劣る事はなく飛び抜けた体術と、様々な術式の中でも無下限術に並ぶ最高クラスの呪霊操(じゅれいそう)術を持つ男…夏油傑

そして…扱える者が極端に少ない反転(はんてん)術式を扱う…家入硝子(私)

「(…ろくな奴がいないな)」

五条は生粋の箱入り娘ならぬ、箱入り息子

世間知らずに加え、天上天下唯我独尊

……ま、言うなら…自己中心クズ野郎

「(コイツとは親しくなりたくないな)」

夏油は無自覚で人を貶すが、優等生的キャラを演じてる

猫被り狐被りをしまくって、自分を押さえつけ過ぎな阿呆

簡単に言うなら「色んな事を我慢していた、元優等生」

「(そのまんま五条のストッパーで居てくれ)」

関わる気は無かった

術式が判明してから私は、ずっと何かに留まる気は無かった

留まれば、留まる程…私(相手)を傷付けるって知ってたから

いつからか…私の中には、いくつかの掟的な何かが出来ていた

・誰か一人に執着してはならない

・誰にも心許してはならない

・誰かに深入りしてはならない

いつ出来たのか、何の為に作ったのか

そんなの、どうでも良かった

この掟が誰を守る物で、誰を引き離す物なのかは忘れた

一線を引いて

「寄るな」って「此処に入ってくるな」って叫び続けた

それなのにクズ共(あいつら)は土足で入り込んで来て「つまんねー所だな」って「何かないのかい？」って居座った

……居座って、くれたんだ

我ながら…面倒くさそうだって言っときながら、私も相当面倒くさい奴だな

初めて…心から友達と思える友達が、出来た気がした

だから…だろうか？

「暇だな」って言われて「そうだな」って返せる日々を、変える勇気が無かった

「痩せた？」って言って「気の所為だよ」って誤魔化されてしまう、追求するだけの勇気がない

だからこそ…

私の目の前で泣くこの子なら、この阿呆みたいな私達を変えてくれる気がしたんだ

「暫く…あだ名としてミルククラウンって呼ぶね」

五「ダサくね」

夏「何でミルククラウンなんだい…」

「染まりやすくて染まってるから(黒いから)」

五「それでミルククラウン？眼科行った方がいいだろ」