true love2【羽生結弦】

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2年前。

当時、拠点を移し、話す言語、食べるもの、住む場所まで一気に変わり、絶賛スランプ中だった。

[ 負けんなよ ]
[ 自分らしくね ]

出発時にみんなから貰った言葉のおかげで、何とか頑張れてはいる。
でも、もう、辛くて辛くてしょうがなかった。


『…あー、何やってるんだろ、私』

2年限りのマイホーム。枕は日本の家から持ってきた。
ふかふかのベッドに倒れ込む。


何を言うか、プロが情けない。
って、周りはみんな思うだろう。
…でも、何もかもガラッと変わってしまえば、誰だって少し不安になっちゃうと思いませんか？


結弦A、お疲れ。まだ慣れないと思うけど明日も練習頑張ろう!


へこたれた時、必ず結弦くんからLINEが来る。
普段もLINEはたまにするけど、結弦くんはいつも私が欲しい言葉をくれる。


エスパーなのかな、なんて前は思ってたかも。
…でも今は、私のことを見ていてくれていたからだって分かる。

試合で負けた時、練習で落ち込んだ時。
いつも隣に結弦くんがいた。


A何とか生きてます。ちょっとスランプ気味だけど…頑張るよ。ありがとう


本当に嬉しい、けど。


昌磨A元気ー?俺は今日はオフだからゲームざんまい


『…人の気も知らないで！』


相変わらずの昌磨ワールドに苦笑いしつつ、｢そんな所も好き｣とどこかで思っている心に蓋をする。


いけないいけない。
もう、昌磨は美咲さんのものなのに。


『…未練タラタラ、か』


ふらふらと彷徨う私の心が、私の本当の気持ちが、まるで分からなかった。


…それこそ、日本に帰る1週間前までは。

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