【宇野昌磨】true love【羽生結弦】

06. ページ6

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[ 美咲 ]


土曜日。
昌磨くんに言われた通りのお店へ向かう。
安定の焼肉。
先についた昌磨くんはランチセットを2人分頼んでくれているみたい。

数分歩いて目的地に着き、思わず深呼吸。
個室になっているそこを開ける。


｢…あ。美咲さん！｣

｢昌磨くんこんにちは。ありがとうね、頼んでくれて｣


タイミング良く頼んだセットも来て、早速2人でお肉を焼く。
カボチャやピーマンも焼こうと網上に置くと、あからさまに嫌そうな顔をする昌磨くん。


｢…昌磨くん、野菜も食べなきゃダメだよ？｣

｢……気が向いたらで…｣


ふふっと笑い合う。
昌磨くんと2人でいる時間も、悪くない。
というか、とっても居心地がいい。


｢…出来た。食べよっか｣


丁寧に野菜だけを避けてお皿に肉を載せる昌磨くん、まさにプロ。野菜避けのプロ。
そっちがその気なら、とちょっとしたイタズラをしてやろうと昌磨くんのお皿に小さく切ったピーマンを載せてやると、顔は一変し絶望の眼差しをお皿に向ける。


｢お肉と一緒に食べたら美味しいから！ねぇ食べて？｣

｢んー…｣


渋ってはいたがちゃんと食べてくれる(不味そうだけど)。
…可愛いなぁ。


……昌磨くんと一緒にいた方がきっと楽しいのに、何で私は結弦が好きなのかな。
何で、この気持ちを捨てられないのかな。
辛いだけの恋をしている自分が、なんだか馬鹿らしい。


｢…美咲さん｣

｢...ん？｣


結弦が好きなはずなのに、少しづつ昌磨くんにも揺らぎ始めている私がいる。
どっちつかずな態度をとってしまう。
そのせいで、Aちゃんも結弦も、そして昌磨くんも傷つけて…。
何回目か分からない罪悪感に襲われる。

…ごめんね、みんな。


｢そんな悲しい顔しないでください。俺、絶対美咲さんを振り向かせます｣


ごめんね……。

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