【宇野昌磨】true love【羽生結弦】

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[ 美咲 ]


リンクで昌磨くんと話しながら試し滑走している時、Aちゃんが来た。
その瞬間一目散に飛んでく結弦。
いつもの光景。だけどやっぱり、辛い。

でも今日は、結弦に言うことがあるんだ。
｢アイスショーのペアになってください｣って。
そのために、普段はしないLINEも送った。

言うのは練習終わりだけど、やっぱり緊張する。
最近は昌磨くんが話しかけてくれるから、結弦とはあまり話していない。
…いつも通りを心がけよう。

試し滑走も終わり、早速ジャンプに入る。
シュッと風をきって、昌磨くん得意のフリップを飛んでみた。
うーん、なかなか上手くいかない。回転不足だ。


｢…ねぇ昌磨くん、この踏み切りって…｣


言いかけて、止まった。
昌磨くんは、Aのことをじっと見ていた。
怒っている訳では無いけど、複雑な表情。

そして、何も言わずにAの元へ行ってしまった。


｢…｣


もしかしたら私は昌磨くんに、少し甘えてたのかもしれない。
どんな時でも、昌磨くんはそばにいてくれる、味方でいてくれるだろうって。
…馬鹿だなぁ、と自虐。いつものこと。


｢なーに暗い顔してるの！｣

｢…わっ｣


気づくと、目の前に結弦がいた。まずい、完全に油断していた。
気の抜いた間抜け顔、見られてないかな…。


｢…何黙ってるの？まぁいいけどね。それより、話って何？もし良ければ、今聞きたい｣

｢…え？！｣


今？！よりによって、こんな覚悟もしてない状況で？！
待って、なんて言おう、とりあえずアイスショーの話題から入って…


｢…あ、あのね結弦。今度のアイスショーのことなんだけど｣


その時だった。
カシャン、と氷を削る音、そして遅れてドンッと鈍い音が聞こえ…。


｢A？！｣


昌磨くんの焦った声が響いた。
私より何秒も早く駆け寄る結弦。

Aちゃんが、倒れていた。

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