A級ソロ隊員は人を信じない【ワールドトリガー】 (ページ9)

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6つ目の嘘ページ9

「・・・A先輩つまんない嘘ついてるね。それ(・・)、楽しい？」

嘘･･･？
バレた？いや一度も隙を見せてない。
それに初対面のはず、鎌をかけた？
それにしても面白い。

『あははははっ、あははっ、ふっ、ははっ、
はー、君面白いこと言うね。僕嘘ついてないよ』

いきなり笑い出した俺にみんなが疑問の視線を向けてくる。

「いや、なんか態度が違う気がする。強い人がよくやるやつだ。そんな徹底してる人初めて見たけど」

『なるほどね、気に入った。面白いなあ。
やっぱ戦うのはなしでいいよ。
普通に訓練付き合ってあげる。噂の子(ネイバー)を試したかっただけだし。
今ので十分すぎるほどわかったしね』

言葉じゃなくて態度に気づいた。
しかも、ずっと一緒にいたわけじゃないのに、俺が1度たりとも素を見せていないことにも。

挙句、楽しいのか聞いてくるなんて。
ずっと偽っていることに気づいたのだろう。
どうして気付いたのか、今は何でもいい。

楽しくて仕方がない。
だって、気付いてくれたから。
きっとこちら側の騙す側の人間だ。
そうでなくても、騙されてくれない人間だろう。

「オレは空閑遊真。遊真でいい。背は低いが、15歳だ」

『んじゃ、遊真で。15歳でその強さか。将来が楽しみだね。』

そう言ってから耳元で囁く。

『敵対するなら、容赦しないからね？』

少し驚いた顔をしたが、すぐに不敵な笑みを浮かべた。
やっぱり面白い。

『さ、君のお仲間の勝負が始まるみたいだよ』

俺はブースの方へ目を向けた。
その言葉で俺たちに注目していた人達もブースへ視線を移した。
三雲だっけ。ボッコボコじゃん。
もはやちょっと笑えてくるんだけど。
初見じゃ蒼也さんのカメレオン攻撃はきついか？うーん、でもやっぱ、動きが鈍い。

あれが迅さんの後輩？なんか期待外れだなぁ。
ん、終わったっぽい。あれ？終わってない。
まだ、続けるつもりみたいだ。
三雲の色がちょっと変わった。ほんとに微妙だけど。

25試合目が開始される。

『なるほどね、考えたなぁ。』

超スローのアステロイドか。
たしかにこれじゃカメレオンは使えない。

しかし、アステロイドをスコーピオンで弾く。
三雲が動いた。
レイガストで蒼也さんを閉じ込め、そこからのゼロ距離射撃。蒼也さんは空いた穴からスコーピオンで攻撃した。
トリオンが漏れて三雲のベイルアウト。
しかし、三雲の攻撃も蒼也さんに当たっていて相討ちになった。