A級ソロ隊員は人を信じない【ワールドトリガー】 (ページ6)

今日:9 hit、昨日:1 hit、合計:30,417 hit

3つ目の嘘ページ6

◇◆◇

起きたらご飯を食べて、着替えて、支度をして、少し遠回りをして学校へ向かう。
少し前に見知った姿が見える。
声をかけると明るい色が向けられて来た。

『よっ、ゾエ、当真。当真がこの時間帯にいるなんて珍しいこともあるんだなぁ』

「うんうん、そうだよねぇ。ゾエさんも嬉しいよー。」

ゾエの視線は基本、暖かい黄色や、橙色だ。
ゾエの色は心地がいい。
あのカゲと同じ隊だしな。

「俺はいつもこの時間帯に来てるぞ。」

当真の視線は独特な色。他じゃあんまり見かけない。複雑な色。

『ははは、いっつもチャイムギリギリで教室来てるくせに何言ってんの』

「あ、そういえば昨日米屋くんとやってたらしいね。どうだった？」

情報が早い。さすがゾエ。

『んーと、確か50本やって36？対14だった気がする。』

「おー、さすがA級ソロ隊員は違うなぁ。」

『まあ、僕はボーダー入った時期も早かったし、後輩に負ける訳にはいかないよね。当真も狙撃手1位としてちゃんとしなって。』

俺がボーダーに入ったのは最初の応募の時だ。まだ中学生か。早いなぁ、もうあれから4年。

「いやいや、今のオレは狙撃手として完璧だから。」

「狙撃手としてじゃん。勉強頑張りなよ、太刀川さんより成績ヤバいんじゃないの？」

『太刀川さんはステータスが戦闘力に全振りしてるよね。ボーダーなかったらどうしてるんだろう？』

「あー、たしかに。ボーダー提携校じゃないと高校受かってない人けっこういるんじゃない？」

「オレは大丈夫だな」

当真の自信はどこから湧いてくるのだろうか。
自信満々で言い切った。

『カゲとか柚宇ちゃんとか、もちろん当真はヤバかっただろうね。』

「そうだねぇ。そうそうカゲがまた対戦したいって言ってたから予定空けといてねー。」

『分かった、カゲに聞いとく。』

「あ！そういや迅さんが風刃を手放したって話知ってるか？」

『迅さんが！？』

当真がいきなり爆弾を投げて来た。
風刃を？あんなに手に入れたがってたのに？

「！なんでそんなことしたんだろうね」

「あー、なんか黒トリガー持ちのネイバーがいるとか。入隊予定らしい。」

『迅さんがそこまでして入れたネイバーね。気になるなぁ。会ってみたいねつ』

「ま、そのうちわかるだろ。ゾエ、またなー。」

教室まで来てゾエと別れる。

あの迅さんがなぁ、
そのネイバー、どんなやつかな。
上が認めたならいいが、

歯向かうなら、

俺が直々に手を下す。
司令に言われずとも。