A級ソロ隊員は人を信じない【ワールドトリガー】 (ページ5)

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2つ目の本音。ページ5

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米屋と鋼と別れて自分の部屋へ向かう。

あー、なんか見られてんな。
視線を感じてパッと振り向くとそこには3人の女子。
うっわ、めんどくさ。

『こんにちは。僕に何か用？』

取り繕って笑顔で声を掛ける。
疲れてんのになんで今なんだよ。

「ぁ、いえ、その」

早く喋ってくんないかな。時間がもったいない。
そんなことを考えつつ、『ゆっくりでいいよー』と声をかける。
なかなか話し出そうとしない子を見かけて、隣の子がこう言った。

「その、この子の師匠になってほしくて。弧月の使い方を教えて欲しいんです。」

却下。なんでこんな頼み方で受けてくれると思ったんだよ。せめて自分で言えよ。教えてくださいって。

というか、さっきから視線が気持ち悪い。
下心見え見えなんだけど。
そんなんで俺に近づけると思うなよ。
トリガーの使い方なら最低でも基礎を身につけてから聞いた方がいい。最初から強い人に教えてもらったって身につかない。

『･･･えっと、孤月は君が使うの？』

最初に声をかけて来た子の方を見ながら聞いた。
さすがにここまで酷いのは見たことないなぁ･･･

「は、はい。そうです」

隣の子が答える。
自分への質問には自分で答えろよ。
なんもできないのかよ、こいつ。ほんっとムカつく。

『君たちまだC級だよね？B級に上がってから、またおいで。その時の状況とかも考えて決めるから。
僕は弟子とってないし、教えるのはあんまり得意じゃないからね。また君たちが来た時に考えさせてもらうよ。』

笑顔で答える。
模範解答。みんなが喜ぶ誰も傷付かない答え。
それを探すのは慣れてる。理想の姿なら知ってる。

「はい、わかりました。」

視線の色が不安な感じから喜びの色へ変わる。
誰もやってあげるなんて言ってないのになぁ、
この感じじゃＢ級に上がりすらしないだろ。

多分ちょっとした遊びのつもりで入っただけの世間知らず。
人の努力も知らないで。
二宮さんが出水に頭下げたって話知らないのか？

自分の技術を教えるってことは、自分が努力して得たものを何もしてねぇ奴に教えるってことだろ。

んなことするかよ。
こんな奴らに。

俺は自分で力をつけた。
教えを乞える人なんていなかったし、そんなこと言える状況じゃなかったから。