A級ソロ隊員は人を信じない【ワールドトリガー】 (ページ17)

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13こ目の嘘ページ17

あれから数日。
今日は任務もない平日。
普通に学校に来て授業を受ける。

今は昼休憩。
あくびをしながら窓の外を眺める。

すると、轟音が鳴り響いた。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

ゲートが警戒区域に大量に出現した。
思わず立ち上がった。
教室にいた女子が悲鳴をあげる。
クラスメイトもパニックになっているようだ。

『先生！！呼び出しがかかったので、向かいます！』

焦った様子の担任教師に声をかける。

「っ、ああ！分かった！」

その声を聞いて窓を開ける。
窓枠に足をかけ、トリガーを取り出す。

『トリガー、オン！！落ち着いて避難してね。僕がネイバーを倒してくるから。』

トリガーを起動させて、優しく声をかけ微笑む。
これで落ち着くだろう。さっさと避難してくれないと邪魔になる。

声をかけ、返事を待たずに飛び降りる。
後ろからクラスメイトの悲鳴とざわめきが聞こえた。

ここは3階。しかしトリオン体なら問題ないし、階段を使うと時間がかかる。

『ッチ、めんどくせぇなぁ。とにかく、トリオン兵を倒してくか』

舌打ちしながら、どこへ向かうか決める。
レーダーでトリオン反応の多いところを確認する。
俺はA級のソロだから、基本自由に動ける。
連携とかもそこまで気にしなくていい。

変に隊を組むと、面倒なことが増えるので嫌なのだ。
1人の方が楽でいい。気を使うのも嫌だし。

運物の屋根にのぼり、辺りを見回す。

ゲートが開き、モールモッドやバンダーが多く出現していた。戦闘員のいない方へ足を向け屋根から屋根へとびうつる。

そのままとびおりてスコーピオンを出し口の的に開かって突き出した。

『うん、一撃だ。今日は調子いいな〜』

そうつぶやいて周りを囲んできた近界民をそのままスコーピオンで切り刻んでいく。

『楽勝、楽勝っと』

あんまり簡単に倒れてくれるものだから油断していた。
倒したバンダーの中から人型のような今まで見たことのない近界が出てくる。

『沢村さん、新型の近界民がバンダーの中から出てきました。今から交戦を始めます』

一方的に告げて通信を切った。
近界民などの兵器に感情はないが、視線はある。
少し独特な印象を受ける真っ自な線。

それを俺に同けてきた。
高い身体能力に俺を獲まえようとする動き。
対ボーダー隊員を想定してあるのか？

硬い装甲だが、傷が入らない訳じゃない。
がんばれば、トリオンのゴリ押しで何とかなる。