A級ソロ隊員は人を信じない【ワールドトリガー】 (ページ13)

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3つ目の本音。ページ13

足早に自分の部屋へ向かう。
迅さんが俺を思って言ったのは分かる。

でも、

偽ることを、

騙すことを、

演じることを、
やめろと言うのか。

通りがかった人が奇異な視線を向けてくる。
腹が立つ。

何も知らずに、嘘をつき

何も知らずに、笑っている。

俺は全て気づいているのに、
何も知らないから、
偽りを述べる。
気づく訳ない。
そう思って、心の中で罵倒する。

滑稽な姿。
馬鹿みたい。
俺は馬鹿じゃない。
人の嘘に踊らされたりしない。

『･･･カゲ。』

「よぉ、A。荒れてんなぁ。」

『別に何もない。』

目の前に気配を感じて顔を上げれば、カゲがいた。
いつもと変わらない姿になんだか安心する。

「そのわりには、気味悪りぃ笑顔が消えてんだよ。つーか、オレのSEのこと忘れたのかよ」

『･･･はぁ、さっき迅さんに会ったんだよ。』

「ふーん。で？なんか言われたんだろ。」

『やめろって言われた。』

「あー、それで機嫌悪りぃのか」

カゲは俺のSEの存在を知っている。
カゲのSEで俺の感情がバレたのがきっかけだ。

それ以来、厄介なSEを持っている者同士で仲良くなった。俺の一番仲良い友達はカゲだろう。

カゲなら演じる必要もないし、
カゲは真っ直ぐで正直な視線しか向けてこない。

『カゲ。やっぱランク戦の相手しろ。ちなみに拒否権ないから。』

「ア"ァ？なんでオレが。」

『いいから。ストレス発散に付き合え』

「は？んなのオレに勝ち目ねぇだろ！」

『はは、大丈夫だって。カゲも十分強いんだから』

笑いながら、
カゲを引っ張ってランク戦のブースがある方へ引き返す。

Aはカゲと話すうちに、少し機嫌が良くなっていた。
＿＿＿＿＿＿＿＿
ランク戦ブースにて

「何本やるつもりなんだよ」

『取り敢えず、30本。』

「はぁ？」

『ほら、カゲやるぞ』

市街地へ転送される。
2人ともSE持ちだから奇襲の意味はない。

Aはゆっくり歩きながらカゲが仕掛けてくるのを待った。

ヒュッ

スコーピオンで頭目がけて攻撃される。
それを弧月で受け流した。

Aが得意なのは弧月メインの多彩な攻撃である。

必ず弧月をメインに入れるが、それ以外は気分によってバラバラ。
Aは、ボーダーにあるほとんどのトリガーを使いこなすことができる。

もちろん、狙撃手用のトリガーも。
しかし、遠距離ではな、近距離から撃つことがほとんどだ。