人気者の噂 ページ10
「AA、ヨンジンいるじゃんうちのクラスのメッッチャ美人の……」
「やだソユンまで!?なに!?」
放課後、人の通らない階段下に私を連れて行きソユンは声を潜める。
「あ〜違う違う私は陰口とかじゃない、てか本題それなんだけどさ、」
入学してまだ一ヶ月も経っていないのに一際目立つ美人のクラスメイトは悪意の標的となっていて、それにかなり巻き込まれていた私はとっさに身構えてしまったがソユンはどうやら違うようだ。
「その反応するってことはバスケ部のファンクラブの子たちにだいぶ絡まれてるね〜。Aそういうの嫌でしょ」
「嫌!巻き込まれてるのもだけどそもそもこういう陰湿なの……意味わかんないし……」
謎の悪意に晒されて疲労困憊の私はソユンにしがみついて訴える。
おーよしよし、と私の頭を撫でながらソユンは続ける。
「私もいつ触れようかな〜と思ってたんだけど話題が話題だから……」
私もこういうの苦手、とソユンは苦笑いする。イケメンは好きだけどね〜と続けてへらっと頬を緩めた。
「実は私ヨンジンと塾同じだったんだよね。直接話したことはないけど」
初耳。もっと早く言ってよ……!と内心思いながらもソユンの話を聞く。
「その頃から目立ってたし学校違っても共通の友達はいたし、美人にも私は目がないから中学のことはそこそこ知ってるんだよね。A、中学時代の話でどんなの吹き込まれた?」
「えっと……目当ての人のスポーツ部に入っては次の人を見つけて部を転々とする……」
「ないない、流石にそんなことしてたら私も知ってる」
「そうだよね……本当だとしたら顧問がおかしいもんそれ」
「そうだよ。スポーツ部のイケメン情報なんて他校だとしても私の方が絶対詳しいし!」
こんなにも説得力のある言葉は他にないんじゃないかと感心しつつ、信じていないにしろ色々な噂を聞いてしまっていた罪悪感がお腹に重く響いた。
「私もはっきりおかしいって言えばよかったな……」
お世辞にも美人じゃない私だってギュビンとのことで中学時代嫌な思いならたくさんした。こういう悪意って気づかないわけないし悲しくないわけないのに。
「馬鹿だな〜そんなことしたらお前がまためんどくさいことになるの!俺はもうめんどくさい!」
「ギュビン!?聞いてたの!?」
「塾らへんから!部活行きたいのに囲まれそうになったから隠れようとしたらAたちに占領されてたの!!」
「もうそんな人気なんだね……」
「そうだよ俺別に普通にしてるのに……そのヨンジンって子もやつも俺のファンが騒いでるっぽいんだよ〜」
え、そうなの?
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ちさちさ(プロフ) - 3日放置されたこと根に持っちゃうメテュかわいすぎる笑笑 (9月20日 9時) (レス) @page13 id: 04b61e0faa (このIDを非表示/違反報告)
素麺アリス(プロフ) - gggさん» 本当だありがとうございます……!! (6月16日 15時) (レス) id: 279c8dc0ec (このIDを非表示/違反報告)
ggg - オリジナルフラグついてますよ…! (6月16日 11時) (レス) id: 5d35a1d14f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:素麺アリス | 作成日時:2023年6月15日 2時