演劇部 ページ7
「演劇部……」
演劇部、いいかも。昔から映画や舞台を観るのが好きだった。
今日の劇も良かった。部員さんたちの演技が上手く、迫力があって、何より照明や音響含め一体感があった。
「お?Aちゃん、演劇部にするの?映画好きだから?」
マシューくんは私の呟きを聞き逃さなかったようで、「演劇部……役者か〜……わ〜……すごく似合うね」と私よりも私の入部に乗り気になっていた。
「似合う……かな。まあ私はどちらかというと演技じゃなくて裏方とかに興味あるかも」
「それもAちゃんっぽい!って感じ」
随分と適当な返しではあるけど、なんだか褒められてるような気もして悪い気はしなかった。
「演劇部といえば部長の人、すっごくかっこよかったよね〜〜本物の俳優みたいだった!」
「ソユンはほんと目ざといね……」
呆れ気味にそう返したもののソユンの意見には完全に同意で、イケメンに耐性があるであろう私でさえその人が出てきたときは芸能界にいる人なのかな?と目を疑ったほどの端正な顔立ちだった。
「あの人目当てでの入部希望者、すごく多そうだよね。Aは頑張って勝ち取らないといけないんじゃない?」
うわ〜〜〜そうだった忘れてた!部活ごとに学年内での定員が決められていて、それを希望者の数が超えると部による面接で入部する人間が選ばれるというシステムなのだ。
「どうしよう面接……自己紹介でさえ緊張しまくったのに」
「Aちゃんは大丈夫そうに見えるけどね。なんというか雰囲気が」
「分かるちゃんとやってくれそう」
「勝ち取れそう」
何故かソユンとマシューくんがうんうんと頷き合っているけど私の中の不安はどんどん大きくなる。面接、絶対あるよね……部長のことがなくても元々演劇部って人気高そうだし、来る人のモチベ高そうだし。
しかし私は行くと決めたら変えたくない性格でもある。私、やるから!!と意気込むと2人がおー、と他人事感丸出しで拍手した。
結局入部希望用紙にボールペンで「演劇部」と記入して、第二希望以降は空欄で提出した。
「私さ、念の為滑舌練習と発声練習をしようと思う」
「Aちゃんはほんと律儀だね……」
199人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちさちさ(プロフ) - 3日放置されたこと根に持っちゃうメテュかわいすぎる笑笑 (9月20日 9時) (レス) @page13 id: 04b61e0faa (このIDを非表示/違反報告)
素麺アリス(プロフ) - gggさん» 本当だありがとうございます……!! (6月16日 15時) (レス) id: 279c8dc0ec (このIDを非表示/違反報告)
ggg - オリジナルフラグついてますよ…! (6月16日 11時) (レス) id: 5d35a1d14f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:素麺アリス | 作成日時:2023年6月15日 2時