マシューくんは気付かない (ページ13)

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抽選結果やいかにページ13

林間学校の班はクラスの中の女子3人男子3人の合計6人で組むこと以外は自由らしく、それはつまりまだコミュニティもやんわりとしか固まっていないクラスの中では仲良くなりたい人を何としても班に入れたい、そんなイベントなのだ。

「うーんヨンジン……と組みたいのは完全に私情だから置いといて、女子のあと一人どうしようか」

「うちらほんとずっと引っ付いてたからね……まあしばらく様子見でもいいんじゃない」

なんとかなるでしょと言うソユンにそうだね〜ゆっくり決めようか、と同意して、演劇部の抽選結果を見に腰を上げた。

『演劇部入部者掲示』
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1-A パク・A

「……あった、名前」

＿＿＿選ばれた。演劇部入れるんだ。

入部が決まった子はこのまま部室入ってねー！という先輩の誘導に従って部室である視聴覚室に入り、誘導のままに席についた。

「面接で一度会ったことはあるだろうけど改めて、部長のキム・ジウンです。よろしく」

芸能人のような容姿の部長は爽やかに自己紹介をして、他の部員の紹介や部室、活動内容の説明をテンポよく済ませた。

「今日はとりあえず入部おめでとうの意味で集まってもらっただけだからこの辺でお開きにします。次来るまでに演者、音声、美術、照明のどれをやりたいか考えてきてね」

はい！と新入生たちの元気な返事で締められたオリエンテーションの帰り道、そうか裏方にも色々あるんだな……などと考えて歩いていると下駄箱の前の人影が私に手を振った。

「……！？あれ？マシューくんなんで？」

「一番に結果聞かせてくれるって言ってたから。待ち伏せ〜」

どうだった？と言うその口調はどこか遠慮気味で柔らかく大人びていて、私がどんな結果でも言いやすいように気を遣ってくれているのかも、なんて優しさに嬉しくなる。

「無事合格しました……！！」

「！！わ〜〜おめでとうAちゃん！！Aちゃんなら大丈夫って僕信じてたんだよ〜」

「ありがとう〜マシューくんが背中を押してくれたおかげだよ〜」

「えへへ、どういたしまして」

自分のことのように喜んでくれるマシューくんの心から嬉しそうな笑顔に胸がとく、と高鳴るのをはっきり感じる。

「今日さ、待っててくれてありがとう。一番にお祝いしてくれるのがマシューくんでよかった……」

「お〜……まあ3日ほっとかれたからね。待ち伏せもするよね」

「その節は本当にすみませんでした……」

マシューくんこれめちゃくちゃ根に持ってる。

なんとお詫びしたらいいか……と戸惑う私にマシューくんはまた嬉しそうに笑った。