幼馴染 ページ2
『俺が着くまでクラス分け見ないでね!!!ネタバレ禁止!!!』
本来は一緒に登校する予定だったのに例に漏れず寝坊した幼馴染ギュビンからのメッセージに返信し、下駄箱のすぐ目の前の廊下にデカデカと掲示されたクラス分けの表から律儀に目を離して到着を待つ。
待つと言ってもすることもないので、結局一言会話を交わしたっきり先に教室に行ってしまったキラキラの笑顔の彼の記憶をじっくりと反芻した。ツンとした印象の目元が人懐っこそうにふにゃりと弧を描く様子もキュッと上がった口角もキラキラのフレーム付きで鮮明に思い出せる。
いや〜、いいもの見たな〜。今思えば顔も綺麗だったかも。
「ん?Aなにニヤニヤしてんの?」
やば、口角ゆるんでた!?と思いながら馴染みのある声に顔を上げるとそれはもう中学の時からぐんぐんと身長を伸ばした大男が怪訝な顔をして私の顔を覗き込んでいた。
「いや?私は元々こういう顔だけど?」
「あー確かに普段から変な顔してるか」
「はったおすよ」
怖ー!とギュビンはケラケラ笑う。
家が近く親が親しい縁で小学生の時からの幼馴染であるギュビンはイタズラっ子な憎たらしい雰囲気はそのままにかなり、それはもうかなりかっこよく成長してしまった。背の高さはもちろん顔も私よりずっと小さくて、親たちがあらゆる折に二人で撮りたがる写真でも正直あまり横に並びたくない。
そのおかげでかなりイケメン慣れ、イケメン耐性のあるであろう私がこんなにもあの笑顔の虜になっているのは果たしてなんなのか……。とっくに答えが出ているような、でもやっぱり掴めないような不思議な感じ。
「そんなことよりクラス!」
「うわびっくりした俺の方が楽しみにしてたのに……」
そう早くクラス分けを見て教室に行かないと。ギュビンの寝坊のせいで本当はこんなにのんびり想いに耽っている時間はない。
俺が先に見る!とかなんとか言って悠長にも私の前に立ちはだかってふざけるギュビンにそのまま私のクラスも見といて〜と伝えた。
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ちさちさ(プロフ) - 3日放置されたこと根に持っちゃうメテュかわいすぎる笑笑 (9月20日 9時) (レス) @page13 id: 04b61e0faa (このIDを非表示/違反報告)
素麺アリス(プロフ) - gggさん» 本当だありがとうございます……!! (6月16日 15時) (レス) id: 279c8dc0ec (このIDを非表示/違反報告)
ggg - オリジナルフラグついてますよ…! (6月16日 11時) (レス) id: 5d35a1d14f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:素麺アリス | 作成日時:2023年6月15日 2時