◎ 優しすぎる彼氏 (ページ31)

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錦戸「 Aちゃん？」

『えっ、あ、…忠義疲れて寝てると思う、あたしも連絡かえってこない！』

丸山「愛しの彼女ちゃんがここにおるのにな～、」

『 …っ、ごめん、あたしやっぱり今日帰るね、またね』

錦戸「えっ！ちょ、Aちゃん！？」

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錦戸くんと丸山くんのなかでは、当たり前にあたしは忠義の彼女になっている。

なぜだか今はそれが辛くて逃げ出したものの、やっぱり行くあてもない。

…出てきて直ぐに忠義のところへ戻って、忠義とちゃんと話すことも今は考えられない。

正直言って、この気持ちと向き合う気はないのだから。

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だって、

もう、

傷つきたくないんだから。

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『 ……どこに、いこう』

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こんな街の中で、どこへ行こうなんて行くところがないのに探してるのも考えてるのも馬鹿らしい。

とりあえず、家に帰って忠義がいるか確認しよう。

タクシーを拾って行き先を伝え、ボーッと外を見る。

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ボーッとしながらも、あたしはずっと考えていた。

忠義は、泣いていないだろうか、と。

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