◎ 優しすぎる彼氏 (ページ28)

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忠義はいつも落ち着いていて、慣れていて、余裕だった。

だからこんな風に苦しんだこともなかっただろうし、あたしに絶対見せることもなかったんだ。

そしてあたしも、自分の全てを忠義に見せれるほど強くなかった。

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忠義「 A、」

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あたしは本来もっと、大雑把だった。

生クリームを頬につけて、とってよって頬を差し出してみたり、汚いスニーカーを履いて、かわいいでしょうって笑えるくらい余裕があったはずなのに。

なのに、

そういう余裕を、忠義の視線が絡みとっていくんだ。

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大倉「 Aは、」

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全てをさらけ出せないあたしに対して、忠義はあたしとの時間よりも友達の時間を優先し始めた。

ずっと、思っていたんだ。

どうしていま隣に居てくれないの、会いたいのに、って思っていたのに。

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大倉「おれのこと、すき？」

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忠義が友達と遊んでいる間ずっと、そう思っていたんだよ。

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