◎ サイダーと錦戸くん (ページ20)

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『 …え、いやいや錦戸くんじゃないよ』

安田「あ、そうなん？」

『安田くん……歴史の教科書、貸してもらっていいですか… 』

安田「歴史？全然ええよ！あ、忘れたから借りに来たんや？(笑) 」

『そうそう～ごめんね、助かる～』

安田「ええよ待ってて！」

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そう言って教室に戻って行った安田くんを目で追うと自分の机の中から教科書を探してる。

…いつもなら休み時間に安田くんと丸山くんといる錦戸くんがいないのはなんでなんだろう。

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安田「あったあった～」

『ありがとう安田くん！昼休み返しに来るね！』

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結局、錦戸くんの姿を見ることの無いままマイと教室に戻る。

歴史の授業を受けながらさっきの錦戸くんと可愛いあの子の光景を思い出す。

いつもクールって皆から言われていた錦戸くんが異性にあんな風に笑う顔を見せるってレアだよなぁ。

中学から知り合いのマイと話しててもあんな風に笑う錦戸くん見たことないのになぁ。

……付き合っているのかな。

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……付き合っててほしくないな。

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