【鬼滅の刃】灰燼に帰す【男主】 (ページ45)

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誰かの夢ページ45

目が覚めると病室で確かに寝ていた。
夢の内容もちゃんと覚えている。

それにあの様々な花がとても印象に残っていた。

そう言えばきよちゃんが動物の図鑑を持っていた記憶があった。
花の図鑑もあったりするのだろうか。

無理を言って図鑑を病室に持ってきてもらい、記憶が消える前にその花を探すことにした。

｢えっと、黄色くて、小さい花……、｣

色と大きさでしぼり、図鑑の花の絵に目を滑らせていく。

｢あ、あった！…姫金糸梅(ひめきんしばい)……。｣

｢花言葉は〝悲しみは続かない〟。｣

｢わあ！！？｣

急に後ろから声が聞こえたと思ったらカナヲだった。
目が覚めた日から何度か俺の様子を見に来てくれていた。

｢花言葉？そんなの知ってるのか？｣

｢うん、小さい時に教えてもらったの。｣

そのまま一緒に他の花も探すことにした。

｢猩々木(しょうじょうぼく)。｣

｢幸運を祈る。｣

｢燕子花(かきつばた)。｣

｢幸せは必ず来る。｣

｢金盞花(きんせんか)。｣

｢別れの悲しみ。｣

｢す、すごい…！みんな知ってるんだな！｣

｢たまたま。知ってただけ。｣

思い返すと何だがAさんのような花言葉が多かった。

〝悲しみは続かない〟や〝幸せは必ず来る〟なんかはAさんらしい。前向きなものだ。

〝別れの悲しみ〟や〝幸運を祈る〟はAさんというか、人間らしい。

夢で出会ったAさんは、俺が作り出した幻想かもしれない。
でも、あの花は本物のように思える。

……あの時、Aさんが言った、友人って誰なんだろう。

柱の人？鬼殺隊の人？行きつけの飯屋の店員さん？

俺は、あの人のことを知らないから、わからない。

……いつか、わかる時が来るだろうか。