何度生まれ変わっても ページ39
「ふぅん、そうか、ふぅん……陸ね、一番下だ。上弦の。
陸はいえ、上弦を倒したわけだ。実にめでたいことだな。陸だがな。
褒めてやってもいい。」
炭治郎が鬼の元に向かってすこし経った後、この遊郭から近い場所にいた伊黒はその戦いが終わってから遊郭に到着した。
「随分遅かったですね。」
「おっおっ遅いんですよ!そもそも来るのが!!おっそいの!!!」
そう怒るまきをと須磨に対して伊黒は何も言わなかったが、首元の蛇がシャーッと威嚇したことで彼の気持ちを表していた。
「左手と左目を失ってどうするつもりだ。
「俺は引退する。さすがにもう戦えねぇよ。お館様も許してくださるだろう。」
そう言う宇髄に伊黒は片眉を小さく動かした。
「ふざけるなよ、俺は許さない。ただでさえ若手が育たず死にすぎるから。
柱は煉獄が抜けた後空席のまま。お前程度でもいないよりはマシだ。死ぬまで戦え。」
キッ、と目を開いてつらつらと言葉を並べる伊黒に宇髄はいたずらっ子のような笑みを浮かべた。
「いいや、若手は育ってるぜ、確実に。
お前の大嫌いな若手がな。」
「おい、まさか、生き残ったのか?この戦いで。」
伊黒は心底意外そうな顔をして問いかけた。
宇髄は答えなかったが表情が変わらなかったため、肯定と受け取った。
「ふぅん……まあいい。それより京極はどこだ?この任務に参加していたんだろう。まあそれぞれ何処かに飛ばされているようだが、お前ならわかるだろう、教えろ。」
「はいはい、ったくよぉ、それが人にものを頼む態度かねぇ……、京極なら多分あっち。」
宇髄は炭治郎がやってきた方向を指した。
その曖昧な示し方に一瞬イラついたが伊黒は何も言うことなくその指された方向へ向かった。
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作者名:きょーりん | 作成日時:2019年11月3日 23時