検索窓
今日:7 hit、昨日:1 hit、合計:67,674 hit

最期 ページ38

「伊之助ぇ、ここ、任せてもいいか、?」

「?」

「もしかしたらまだ、助かる人がいるかも、しれない。だから、」




鼻をすすりながらそう言う炭治郎を伊之助はドンッと押した。

何も言わなかったが、行け、という意味なのは炭治郎もわかった。



炭治郎と禰豆子がその場を離れたあと、伊之助はAの顔を見つめていた。



(…Aの顔の傷、こんなんだったか、?)



Aのひび割れたような傷が顎の方まで広がっていた。

しかし、それを本人に聞くことは出来ない。







「伊之助ぇえ〜、大丈夫〜……?」


少し下で善逸の声が聞こえてそちらに顔を向ける。
伊之助は傷だらけでズルズルと這ってくる善逸に手を貸してやった。






「……音でわかってたけど、…実際、目にすると、っ、こんなに、悲しいんだね、ッッ、」

「…………。」


「俺さ、戦ってる時の記憶ないから、わかんないけど、…覚えてること、一つだけあってさ、」

「……。」


「すっごく、っ、煙くって、咳き込んじゃいそうなくらい。…でも安心する暖かさを覚えてるんだ。」

「…。









おれも。」





肩を震わせてそう呟いた伊之助を善逸はそっか、と返した。









その頃、炭治郎は鬼たちを見に行くとき、宇髄にAの訃報を伝えた。



「……そうか。……ん、じゃ行っていいぞ。」

「はい、。」




宇髄はそばで泣きじゃくる嫁を見つめながら、ぼうっと考えた。





(……そうか、ここがお前の死に場所だったか。

ならお前の分まで鬼を殺すのはアイツらってわけか。


俺の死に場所はここじゃなかった。それに嫁を置いて逝けないしな。




京極、どうだ気分は、清々しいかい?
お前人を気にかけすぎてる部分あったし、俺から見てだが、…気が休まってる時なんかなかったんじゃねぇか?


でも、炭治郎たちをみて、安心したってことか?

ったく、お前ならまだまだやれたと思うがね、俺は。


……まあ、なんだ、ゆっくり休めよ、A。)

何度生まれ変わっても→←最期



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (63 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
129人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 男主   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:きょーりん | 作成日時:2019年11月3日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。