【鬼滅の刃】灰燼に帰す【男主】 (ページ37)

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最期ページ37

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｢うーーーーー、｣

はっ、と炭治郎が目を覚ますと目の前には禰豆子がいた。心配そうに炭治郎の体を支え座り込んでいたようだった。

周りには店だったであろう木の破片やらが散乱していた。

｢ひどい…めちゃくちゃだ、…。｣

周りに仲間がいないことを知った炭治郎は探しに行こうとするも疲れからかまたしゃがみこんでしまった。

(なんで動けるんだ？なんで俺は生きてる？毒を喰らったのに……。)

すると炭治郎の名前を呼ぶか細い声が聞こえた。
禰豆子におぶられて行くと、地面に這いつくばっている善逸がいた。

｢起きたら体中痛いよおおお！！俺の両足これ折れてんの何なの！？誰にやられたのコレ痛いよおお怖くて見れないいい！！！
目覚ました瞬間なんか滑って転がるしもう最悪だよ！！｣

｢無事か！！良かった、｣

｢無事じゃねぇよおお！！

俺も可哀想だけど伊之助とAさんのがやばいよぉ、伊之助、心臓の音がどんどん弱くなってるよ～～～～！！！｣

善逸の指さしたほうを見ると伊之助とAの足が見えていた。

伊之助に覆い被さるように倒れているAに炭治郎が触れると固く、冷たくなっていた。

反して伊之助はまだ生を感じさせる暖かさが微かだが残っていた。

｢伊之助ーーーーーっ！伊之助！伊之助！！しっかりしろ！！｣

(心音が…！弱くなっていく！！

毒をどうにかしないと…そうだ！陽の光はどうだ！！)

そう考えたがまだ夜が明けるには時間があった。

(今何とかしなければ伊之助は死ぬ！なんで俺は助かったんだ、なんで俺だけ……！！！)

なんの打開策も浮かばないまま、気持ちだけが焦る炭治郎。

その時、禰豆子が伊之助の体に触れた。
そこから炎が立ち上った。
毒で爛れた皮膚がどんどん治っていく。

｢腹減ったなんか食わせろ！！｣

炎が完全に消えた頃には伊之助は元気になり、目を覚ましてすぐにそう叫んだ。

｢そうだ、禰豆子！Aさんも毒を喰らっていたはずだ！禰豆子、治せるか、｣

｢ムーー……？｣

炭治郎はそう頼んだが禰豆子は困った顔をして首を傾げた。

そのまま、Aの顔を見て炭治郎は目を見開いた。

｢そんな、っ、嘘だ、っく、｣

｢？、おい、Aはまだ寝てんのか、｣

涙をこぼす炭治郎に伊之助はそう問いかけた。