倒し方 ページ26
*
俺の腕から体を抜いた堕姫は、鋭い視線で俺を睨みつけていた。
すると屋敷から嘴平くんと、我妻くんが屋根に上がってきた。
どうやら加勢してくれるみたいだ。
「アンタ、よくもアタシを灼いてくれたわね。」
「だが、灼くだけでは死なないようだな。」
「当たり前でしょ!!?鬼なんだから!」
何にそんなに怒っているのか分からないが、逆上した堕姫の帯の動きはより単純なもので、避けるのは容易かった。
が、運悪く眼帯に当たってしまい、はらりと解けてしまった。
「フンっ、その瞳だけはキレイね。死んだら瞳だけ、喰ってやるわよ。」
……、
「おい、」
「…?、お前、あの時の、!」
「俺は君に言いたいことがある。
耳を引っ張って怪我をさせた子に謝れ。
あの子たちは君の所有物じゃない。
何をしても許されるわけじゃない。」
「………つまらない説教垂れるんじゃないわよ。
不細工は飯を食う資格ないわ。何も出来ない奴は人間扱いしない。」
「自分がされて嫌だったことは人にしちゃいけない。」
そこまで我妻くんがいうと、堕姫の様子が変わった。
明らかに何か、別のものが入ったような、
「違うなあそれは。
人にされて嫌だったこと、苦しかったことを人にやって返して取り立てる。
自分が不幸になった分は幸せな奴から取り立てねぇと取り返せねえ。
それが俺たちの生き方だからなあ。言いがかりを付けてくるやつは皆、殺してきたんだよなあ。」
「!!!!!!」
《灰の呼吸 伍ノ型、
明らかに変わった。
根本的に、能力が上がった。
足を振り上げ踵を落とす。
はあ、と灰が漏れる。
堕姫に当たった感触がない。
外したか!!
「嘴平くん我妻くん!気をつけろ!!!!
相手は確実に、
すぐに体勢を立て直し、二人のもとに跳ぶ。
《灰の呼吸 参ノ型、起爆貫》
片っ端から帯を殴り、爆発させる。
が、先程と再生の速さが違いすぎるし、爆発の規模が小さい。
帯がより強くなって、固くなっている。
「はあっ、はあ、…、」
「アハハハハ!!全部見えるわ、アンタたちの動き!兄さんが起きたからね!!
これがアタシの本当の力なのよ!!」
間に合わなかった。
三人とも、切り込まれていた。
絶対にこの二人は死なせやしない。
柱なんだぞ、俺は……!!
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作者名:きょーりん | 作成日時:2019年11月3日 23時