妓夫 ページ21
俺が現場に着いた時、丁度宇髄が上弦と交戦する間際であった。
男の鬼と、女の鬼。
それにまだ逃げ遅れた人がいる。
「宇髄!!!」
「!…京極。」
宇髄に隣に立ち、鬼を見据える。
やせ細った男の鬼は鎌を両手に持っている。
対して女の鬼は隅に蹲り泣きじゃくっている。
「!!お兄ちゃん!コイツっ、コイツ!!!!
……っ、殺してよ!アタシを灼いた奴らも殺してよ!!」
パッと指をさされ、俺はあの帯はこの鬼の分身だったと察する。
となると、この鬼の相手は俺がいいだろう。
「アタシ一生懸命やってるのに、凄く頑張ってたのよ一人で!!
それなのにねぇ皆で邪魔してアタシをいじめたの!!よってたかっていじめたのよォ!!!!」
「そうだなあ、そりゃあ許せねぇなぁ。俺の可愛い妹が足りねぇ頭で一生懸命やってるのをいじめるような奴らは皆殺しだ。
…………取り立てるぜ俺はなぁ。やられた分は必ず取り立てる。」
カチャ、と鎌が鳴る。
「死ぬときグルグル巡らせろ。俺の名は妓夫太郎だからなああ。」
ゴオッ!!!
「「!!!」」
とてつもない速さで投げられた鎌は建物の屋根を突き破り、鬼、妓夫太郎の手に戻ってくる。
俺たちは一般人を庇いながら、応戦する。
「妬ましいなぁあお前本当に。いい男じゃねぇかよ、なあぁ、。
そいつらにとってお前は命の恩人だよなあ。さぞや好かれて感謝されることだろうなぁあ。」
……なんだ?この鬼は、なんだか、嫌な感じがする。
「まぁな。俺は派手で華やかな色男だし、当然だろ。」
《血鬼術 飛び血鎌》
「ッッこの人は俺に任せろ宇髄!鬼に集中し、」
ドォン!!
途端に床が抜ける。
宇髄が咄嗟に鬼から人を遠ざけたんだ。
「京極頼む!」
「ああ!」
女性はもう既に男性に抱えられていたので俺は男性を抱え、走り出す。
「逃がさねえからなあ。……曲がれ飛び血鎌。」
「!?京極!!!!」
不意に呼ばれ、後ろを向くと少し先に斬撃が迫っていた。
「…確かに俺は強くはないがな、。それでも柱だ。その名を汚すようなことはしない。」
《灰の呼吸 陸ノ型、臥煙憤灰》
床を蹴りあげて斬撃に当てる。すると、斬撃は意志をなくしたように元の血へと戻り、パタパタと散った。
「捕まっていてくれ。」
「は、はいっ、」
俺だって、足でまといになりに来た訳では無い。
役目を、俺のするべきことをしっかりやり遂げてみせる。
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作者名:きょーりん | 作成日時:2019年11月3日 23時