#帝国が来た！ ページ8
｢円堂くん！｣
｢あっ月影！｣
｢Aでいいよ。今日の試合お疲れ様。凄かったね。｣
また泥だらけになって部室からでてきた円堂くんを待ち伏せしていた。
どうやら他の人は帰ってしまったらしい。
円堂くんと話しながら下校する。
円堂くんの話は全くもって飽きない。面白いことで溢れている。
｢やっと完成したんだ！Aが来た時も練習してたんだけど上手くいかなくってさ。｣
｢それってあの必殺技のこと？｣
｢そう！あれ、じいちゃんのノートに書かれてた必殺技なんだ！帝国のシュートを止めるには絶対必要だと思ってさ。｣
必殺技ってそうそう出来るものじゃない。
でも円堂くんのその、諦めない心が君を強くしたんだね。
｢あとは豪炎寺のおかげだ。どれだけ気合いでやろうとしてもきっとアイツが来なきゃ負けてた。｣
嬉しそうに目を輝かせて円堂くんは話す。
修也くん……今回だけって言ってた。
｢修也くんってサッカー部に入ったんじゃなかったの？｣
｢え？修也くん？……あ、まあ、その誘ったんだけど断られてさ。｣
｢え！断った？サッカー部に入ることを？修也くんが？｣
うん、と控えめに頷いた円堂くん。
そんなこともあるんだ。
あんなにサッカー好きなのに、入部を断るなんて。
｢それに、……もうサッカーはやめたって。｣
｢え、ええええ！？｣
2年くらいしか会ってなかったのに、私は修也くんのこと何も知らないな！
サッカーはやめた、か。
それにしては強烈なシュートだったけど。
やめたやめたって言ったってきっと心のどこかでサッカーを捨てきれてないんだろうな。
修也くんのことだし。
｢Aは、サッカー部入る気になったか？｣
｢え？｣
｢いや、ほら！帝国との試合のために部員必死に集めたけどさ。終わったからって募集してない訳じゃないからさ！｣
ニッと笑いかけてくれた円堂くん。
そうか、そういえば私誘われてたんだっけ。
確かに今回の試合を見てサッカーはまたやりたくなった。
けど、この勢いにのる彼らにほぼほぼど素人の私が加わってもいいのだろうか。
…密かに練習でもして、誰かに見せられるようになったら、入部しようかな。
まあきっと見せられるようになるにはまだまだかかるだろうけど。
｢うーん、カッコイイなとは思ったよ。｣
｢ホントか！じゃあっ、｣
｢でも、まだ決めかねてる。ごめんね円堂くん。｣
まだ、君に背中を見せられるほど上手じゃないのよ。
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雫(ｼｽﾞｸ) - とても面白いですね！ 作者さんのペースで更新を頑張ってください。 オリオンの刻印が好きで２つの作品を書いてます。 (自分の事までコメントしてしまい、すみません。) 無印では、特に帝国学園やエイリア学園が大好きですよ! (2019年6月2日 14時) (
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作者名：きょーりん | 作成日時：2019年5月30日 23時
