#秘伝書はどこだ！ ページ27
気づくともう周りは暗くなっていた。
みんなの方を見に行くとイナズマ落としは修也くんと壁山くんがやることになったみたい。
｢半田くん、みんなの調子どう？｣
｢お、月影。そうだな、問題は壁山かもな〜。｣
タイヤを括りつけてジャンプ力をつける特訓。円堂くんも付き添ってるみたい。
修也くんはより高く飛んでからのオーバーヘッドキックの練習。
みんなボロボロだ。
なんか、私の特訓、まだまだだったみたいね。
半田くんと一緒に特訓を見ていると叫び声が。
｢ぎゃあああ！！！！でんでん虫ー！！！｣
そして地響き。思わず飛び上がる二人。
｢今の声って…。｣
｢壁山？｣
駆けつけると木に顔をぶつけた壁山くんとそれに笑顔で駆け寄る円堂くん。
｢凄いじゃないか壁山！今の感じだよ！｣
｢は、はいっス…でもちょっと痛いっス……あははは…。｣
笑い合う二人を見て半田くんと顔を見合わせる。
これは希望の光が見えてきたかもね。
｢よーしみんな、あとひと踏ん張りだ！野生中との試合はもうすぐだぞ！｣
｢｢｢｢おー！！！｣｣｣｣
ーーー
ーー
ー
｢なあ、そういえばさAはどうなんだ？｣
｢へ？｣
｢ほら必殺技の練習するって言ってたじゃないか。｣
帰ろうと準備をしていると円堂くんからそう唐突に話しかけられた。
必殺技は確かに一度できた。
でもそのあとは疲れすぎてやってないので、ものには出来てない可能性がある。
｢もう少しかな。｣
｢ホントか！？じゃあ、出来たら見せてくれよな！｣
｢もちろん。円堂くんに一番に見せるね！｣
へへっやったぜ！と笑う円堂くんにつられて笑う。
円堂くんといると不安とか悩みとか吹っ飛んでいくんだよね。不思議。
．
｢あの時咄嗟に技名が浮かんだけど…目金くんの仕事………ま、いっか。｣
私の必殺技、《雨夜の月》。絶対ものにして、試合で使えたらいいな。
そうしたらみんなの役に立てるよね。
野生中との試合、もし出ることができたら……。
みんなの同じフィールドに立てるって言うのが夢みたい。
あの時は思っているだけだったから。
今度は違う。少しずつだけど力はついてきてる。
早くみんなと同じラインに立ちたいな。
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雫(ｼｽﾞｸ) - とても面白いですね！ 作者さんのペースで更新を頑張ってください。 オリオンの刻印が好きで２つの作品を書いてます。 (自分の事までコメントしてしまい、すみません。) 無印では、特に帝国学園やエイリア学園が大好きですよ! (2019年6月2日 14時) (
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作者名：きょーりん | 作成日時：2019年5月30日 23時
