#秘伝書はどこだ！ ページ22
尾刈斗中との試合があけて学校が始まる。
｢あれ、壁山くんに少林くん。おはよう。｣
｢あ！おはようございますっス！｣
｢おはようございます！｣
そうして三人で歩きだそうとすると後ろから走る足音が近づいてくる。
｢フットボールフロンティアァァァ！！！｣
風のように走り去って行ったのは言わずもがな円堂くんだった。
｢キャプテン燃えてんなぁ！｣
｢フットボールフロンティアだからね。｣
｢円堂くんの長年の夢ってことか。｣
…あんな様子だと空回りしてドジふみそうだけど。
｢チーッス！｣
｢？えっと、｣
｢俺、土門。よろしく。｣
初対面なのにすっごいフレンドリーだ、土門くん。
どうやら土門くんは転校生だったらしい。
校長室の場所がわからなかったのだそう。
｢じゃあ案内するよ。｣
｢おっ、マジで！サンキュー。｣
一年生の二人と別れて歩き始める。
｢アンタさサッカー部だろ？｣
｢え？なんで知ってるの？｣
そう聞くと土門くんはいやあ、と頭をかきながらエナメルバッグを指さした。
｢こんな荷物持ってるのサッカー部くらいだろ？｣
｢そ、そうか。そういうモンか。｣
なにかちょっとはぐらかされたような気もしないでもない。
けど、とりあえず彼を校長室まで送り届けねば。
ーーー
ーー
ー
放課後、部室に入るとちょっと暑苦しい。
もちろん原因は円堂くん。
彼のやる気だけでこの小さな部室が暑くなっている。
恐るべしサッカーバカ。
｢みんな！わかってるな！！？｣
｢｢｢｢｢おー！！！｣｣｣｣｣
｢とうとうフットボールフロンティアが始まるんだ！！｣
その嬉しさを噛み締める円堂くんに風丸くんが対戦相手を聞く。
確かにそれは一番重要だよね、初戦の相手。
｢相手は…！｣
真剣な顔つきになった円堂くん。
みんなその後の言葉を待つ。
｢知らない！！｣
ずるっ、と転けそうになるのを抑える。
なんでそんなに自信満々なの円堂くん。
まあ朝の様子から出場出来るってことで頭がいっぱいだったんだろうけど。
｢野生中ですよ。｣
｢野生中は確かに去年の地区予選の決勝で帝国と戦っています。｣
初戦から決勝に行くような学校と戦うのか。
みんなも少し息をのんだようだったけどやはり彼だけは違った。
｢すっげー！そんな強いチームと戦えるのか！｣
｢それから、｣
｢チーッス！｣
｢｢｢あ！｣｣｣
冬海先生の後ろから顔を出したのは朝会った土門くんだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 29人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雫(ｼｽﾞｸ) - とても面白いですね！ 作者さんのペースで更新を頑張ってください。 オリオンの刻印が好きで２つの作品を書いてます。 (自分の事までコメントしてしまい、すみません。) 無印では、特に帝国学園やエイリア学園が大好きですよ! (2019年6月2日 14時) (
レス) id: effc3bbfee (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：きょーりん | 作成日時：2019年5月30日 23時
