#ドラゴンが出た！ ページ14
side:change
修也くんはサッカー部に入ったらしい。
きっと吹っ切れたのかな。何があったかはわからないけど。
それははっきり言って嬉しい。
また修也くんがサッカーするところ見れるから。
｢おい！A！｣
｢はーいって、修也くん。｣
噂をすればなんとやら、修也くんに呼び止められた。
少し息の切れた修也くんは、息を整えて口を開いた。
｢Aはサッカー部入らないのか。｣
｢とっ、唐突だね。……うん、そうだね。だってほら！私上手くないし。｣
答えると、はぁ、と大きなため息が返ってきた。
｢お前はいつもそうだな。｣
｢え？｣
｢お前自身はどうなんだ。上手い下手関係なく、サッカーやりたいのか。｣
…。
｢やりたいよ、…フィールドでキラキラ光るみんなと一緒にプレーしたい！
でも！…ドリブルもパスも、ディフェンスも、サッカー部として貢献できることなんかないの。
私はリフティングしか出来ないし。
だから、私は、｣
｢A。｣
ぎゅっと握っていた拳が少し緩まる。
修也くんは私の肩に手を置いた。
そして優しい声音で話す。
｢お前は自分のことを卑下し過ぎだ。もっと自分に自信を持て。Aに技がなくても、得意なことがなくても、諦めない心はあるんだ。
俺はわかっている。
相手のことを考えすぎるのも時には相手にとって迷惑になるぞ。
……少しは自分の本当の気持ちに素直に従ってみたらどうだ。｣
自分の本当の気持ち……。
｢でもきっと迷惑だって思われちゃうよ。｣
｢大丈夫だ。そんな奴らじゃないさ。｣
修也くんの言葉が私の心を包み込んでくれる。
サッカー……やりたいの？私。
ずっと修也くんの背中を見てた。
いつかあんなカッコイイシュートやプレーが出来ればいいって思ってた。
でも、出来ないって勝手にサッカーから逃げてたんだ。
サッカーをやりたいって気持ちにフタをしてた。
｢ありがとう修也くん。……私、サッカー、やりたい……！
サッカー部のみんなとサッカーがしたい！！｣
そう言うと修也くんはフッと笑った。
私の心の重りが、モヤがなくなった気がした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 29人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雫(ｼｽﾞｸ) - とても面白いですね！ 作者さんのペースで更新を頑張ってください。 オリオンの刻印が好きで２つの作品を書いてます。 (自分の事までコメントしてしまい、すみません。) 無印では、特に帝国学園やエイリア学園が大好きですよ! (2019年6月2日 14時) (
レス) id: effc3bbfee (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：きょーりん | 作成日時：2019年5月30日 23時
