*さっきより ページ49
あの後、作り終えてきたメガネ店員がまた顔面に命中させ片桐が激怒したので売店を離れた。
Aの手には溶けかけたソフトクリームがあった。
「くっそ、あの野郎……。」
「ま、まあまあ、新人さんなんだよきっと。」
Aはソフトクリームを食べながらそう言った。
腑に落ちない顔をしてため息をつく片桐。
するとAがあ、と呟いた。
「じゃあ、私の一口食べる?」
「……いいのか?」
「いいよ〜。」
じゃあ、と片桐はAの手首を掴み自身も屈む。
そのままぱくりと一口、ソフトクリームを頬張った。
そっと手を離して美味しいな、と呟く。
ペロリと舌先が見えた。
「ぅ、……ぅぅ、…なんで…そういうこと急にするかな、……。」
片桐の思わぬ行動に思考と体が硬直したA。
そして忽ち赤くなる顔。
冷やそうとソフトクリームを舐める。
(……さっきよりも甘いや。)
ーーー
ーー
ー
「……ありがとうございます!友達も喜んでましたー!」
「そう?力になれて良かった!」
それでは!とメガネ店員はエプロンとメガネ、そしてマスクをとる。
ついでにこの売店の制服である帽子もとる。
メガネ店員は売店の外にでて、トイレに向かう。
そして叫んだ。
「……ぶっ、あっははは!!!最っ高だなァ!!」
……言わずもがな三橋である。
売店の罪なきおばちゃんを言いくるめ店員に化けていたのだ。
つまり片桐の顔に二度もソフトクリームをぶつけたのは三橋というわけだった。
「ふっふっふー……このままラブラブちゅっちゅなデートが出来ると思うなよ〜……!!お楽しみはこれからだぜェ……。」
そして次の作戦に移るべくトイレを出た三橋。
「いたー!!!」
「げ、」
走ってきたのは京子と明美だった。
そしてついでに伊藤もいた。
「てか、なんでオメェもいるんだよ。」
「いちゃわりーのかよ。」
呆れたような顔をして三橋を見つめる伊藤。
「お前さ、自分に彼女いないからってそういうことするのやめろって、今井んときも言っただろ。」
「うるせー!!彼女がいるからっていい気になってんじゃねぇぞ……!」
白目になりなから三橋は唸った。
「み、三橋さん!あの、今回は勘弁してください!」
「お願いします!!」
京子と明美は揃って頭を下げた。
「あーあ、女の子に頭下げさせてるー。」
「黙っとけ!!」
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もちまる - 面白いです!更新楽しみにしてます(*´`*) (2018年11月4日 23時) (レス) id: baed5daad7 (このIDを非表示/違反報告)
オキ(プロフ) - 主人公の京子ちゃん溺愛っぷりいいですねw更新頑張ってください! (2018年11月4日 22時) (レス) id: 0da5fa57f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きょーりん | 作成日時:2018年11月4日 19時