*ソフトクリーム ページ48
「ここ?」
「ああ。」
二人が着いたのは広々とした大きな公園。
公園といっても遊具などはなく、たくさんの花が植えられていて辺り一面花畑だった。
「その、女は何が好きかわからねぇから、…。花なら好きかなって思ったんだ。」
「大丈夫、花大好きだよ。」
休日なので他に人もたくさんいたのだが。
「あれ売店かな。」
「なんか食うか。」
少し先にある売店に入った二人。
そこでソフトクリームを頼むことにした。
「あの、」
「いらっしゃいませ!何になさいますか?」
「えっと、チョコレートとバニラのソフトクリーム一つずつ。」
「かしこまりました!外のベンチでお待ちください。」
行こう、と片桐に手を引いて売店を出るA。
・
「お願いしますね。」
「任せてください!」
メガネとマスクで顔がわからない店員に先程Aの対応をした店員が喋りかける。
メガネ店員は何処か嬉しそうにソフトクリームを受け取る。
スキップしながら行くものだからソフトクリームも落ちそうだ。
「お待たせしました〜〜!」
「あ、来たよ。」
「おう。」
メガネ店員からソフトクリームを受け取るA。
片桐も受け取ろうとする。
べちゃ。
「ぶっ、」
「え、」
「わぁぁ〜〜〜!!申し訳ございません!うっかり手がぁ〜〜!」
「……。」
メガネ店員の手から離れたソフトクリームは片桐の顔に命中した。
慌てているのか笑っているのかわからない声音で謝るメガネ店員。
無言でコーンを取り、ゴシゴシとソフトクリームを拭き取る。
白かった片桐の顔が顕になっていく。
「…………。」
(完全に怒ってる……。)
明らかに不機嫌な顔にメガネ店員は何度も頭を下げながらもう一度作り直してきます!とスキップしながら売店に戻って行った。
「…大丈夫?これ、使って?」
「………ありがとうな。」
Aはティッシュを取り出し片桐に渡す。
眉間に皺がよっている。
「ま、まあ今作り直してくれてるみたいだし、…あ、私の食べる?」
「いや、チョコレート食べたかったんだろ。Aが食べたらいい。」
「…そう?じゃあ、智司のくるまで待ってるね。」
その言葉に片桐はそうか、とだけ返した。
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もちまる - 面白いです!更新楽しみにしてます(*´`*) (2018年11月4日 23時) (レス) id: baed5daad7 (このIDを非表示/違反報告)
オキ(プロフ) - 主人公の京子ちゃん溺愛っぷりいいですねw更新頑張ってください! (2018年11月4日 22時) (レス) id: 0da5fa57f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きょーりん | 作成日時:2018年11月4日 19時