*いよいよ ページ46
いよいよ今日だ。
敷嶌さんの初デートの日。
楽しんできてくださいね、と伝えた。
私は尾行なんてする気はなかった。
「京子さん、マジでやめましょうって!」
「バッカ、あんなに綺麗で乙女な敷嶌さんなんて滅多に見られねぇぞ!それに、なんかあるかもしんねぇ……。」
「えぇ、……。敷嶌さんもお相手さんも強いんスから大丈夫ですって。」
本当に私はこんなことする気はなかった。
しかし京子さんに連れてこられてしまってはもう無理だ。
この人は頑固だから一度決めたら中々折れない。
それにあの二人ならすぐ私たちに気づくはず。
そしたらどうなるか……。
考えただけ身震いしてしまう。
しかしまあ、尾行ってのもしてみたら案外楽しいもので。
いつの間にか京子さんと一緒にコソコソしていた。
「敷嶌さん、大丈夫かな〜……またヒートしたりしたら……。」
「それは恐ろしいっスよ!取り返しのつかない事になる……。」
ヒートは危険だ。本当に危険。
まあでも楽しめればきっとそんなことも気にすることなくデートできると思う。
待ち合わせ場所に歩く敷嶌さんの後ろ姿はとても素敵だった。
ーーー
ーー
ー
午前11時前。
Aは待ち合わせ場所に向かっていた。
しっかり時間に遅れないように早めに出て、あの時買ったワンピースを着て。
ドクンドクンと高鳴る胸に浸りながら歩く。
(うぅ、……恥ずかしい……。長い丈とはいえ、制服のスカートとは違って…変な感じ。)
気持ちを落ち着かせるため、ふぅ、と息をつくと声をかけられた。
「あれ?Aちゃん?」
「三橋さん。」
「御粧ししてるね。誰かとお出かけデスかー??」
「……ええ、そうです。」
三橋はニヨニヨしながらわざとらしくAに聞くもAは幸せそうに微笑んだ。
おっ、と三橋は驚いたがまたニヤニヤし出す。
「そっかそっか、楽しんできてねー。」
「ありがとうございます、三橋さん。では。」
バイバーイとブンブン手を振る三橋に手を振り返し歩き出す。
(おっと、時間ギリギリになっちゃいそう。急がなきゃ。)
三橋が悪魔のような顔をしていたことも知らず。
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もちまる - 面白いです!更新楽しみにしてます(*´`*) (2018年11月4日 23時) (レス) id: baed5daad7 (このIDを非表示/違反報告)
オキ(プロフ) - 主人公の京子ちゃん溺愛っぷりいいですねw更新頑張ってください! (2018年11月4日 22時) (レス) id: 0da5fa57f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きょーりん | 作成日時:2018年11月4日 19時