＊遅い ページ36
｢ま、待って、り、｣
｢今更命乞いか？あ？｣
目を見開いてAは斎藤に叫ぶ。
｢違う、誰を刺したんだ、それで！！｣
｢はぁ？誰でもいいだろ！なんだか知らねぇが俺の事殴ってきたからよ、ちょっと刺したら蹲って、ほら、そこに＿＿＿＿｣
斎藤が振り返る。
と、斎藤の体がAの方に吹っ飛んできた。
間一髪で避けて隣を見ると白目を向いて気を失っていた。
Aが顔を上げる。
｢……智司……？｣
｢悪ぃ、遅くなった。｣
そこには制服に血を滲ませながらも、安心させるように笑っている片桐がいた。
｢いま、縄解いてやるから、。｣
｢待って、無理しないで、刺されたんでしょ、……？｣
｢関係ねぇよ。｣
汗を滲ませながらしゃがんだ片桐はAの手足の縄を解いた。
するとAは自由になった両手で片桐を抱きしめた。
｢ごめん、私のせいで、｣
｢謝んなよ、俺が、…俺が好きでやったんだ。｣
片桐は耳元の嗚咽を聞いた。
(コイツはあの時から何にも変わってなんかない。何一つ変わらないでいてくれた。)
肩が濡れていく感覚を感じながら片桐は目を閉じた。
ーーー
ーー
ー
｢おい！智司！！くそ、何処だ……？｣
相良は急にどこかへ走って行った片桐を追いかけていた。
途中、見失い絶賛捜索中だ。
がさ、と草を踏む音がしてそちらに目線をやると三橋と伊藤、それに京子、明美もいた。
相良は舌打ちをして片桐を探そうと背を向けた。
｢待てよ！アイツは？｣
｢ああ？知らねぇ、いま探してんだ。｣
｢なっ、アイツまでどっかいっちまったのか！？｣
｢うるせぇな、関係ねぇだろ！｣
相良がそう怒鳴ると三橋はまあまあ、とにやけながら相良を諭した。
｢俺の話聞けよ。多分アイツもAちゃんとこだろ？｣
｢……。｣
｢三橋さん、それがわかったら苦労してねぇっす。｣
明美がそう言うと三橋はデデーン！と急に叫んだ。
伊藤は呆れながらそれを見ている。
｢そーんな、皆にもんだーい！実はさっきAちゃんの居場所を聞き出すことに成功しました！！パチパチパチ〜〜！｣
｢｢｢｢……はぁ！！！？｣｣｣｣
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もちまる - 面白いです！更新楽しみにしてます(*´`*) (2018年11月4日 23時) (
レス) id: baed5daad7 (このIDを非表示/違反報告)
オキ(プロフ) - 主人公の京子ちゃん溺愛っぷりいいですねw更新頑張ってください！ (2018年11月4日 22時) (レス) id: 0da5fa57f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きょーりん | 作成日時：2018年11月4日 19時
