*ごめんなさい ページ30
「考え後出来るほど余裕なんだね。」
「そうですね。割とありますよ、余裕。」
攻防を続けながら会話をするがAの口からは切れた息が漏れていた。
プレハブ小屋の壁は写真で埋め尽くされていた。
それは全てAだった。
ただのストーカーなら気配でわかるはずなのに、とAは写真を盗み見ながら思う。
「だから、余裕なのかよって!!!」
「ぐ、ぅ、!」
眉間を目掛けて突き出された拳を避けることが出来ずAは壁に激突した。
クラクラとする意識の中こちらに歩いてくる男に気づく。
Aは起き上がろうとするにも体が言うことを聞かない。
「はぁ、はぁ、やっと、くたばったか。」
「ぅ、…くそ、…ッ…。」
「…!……ふ、はははは!!!流石だ!これで意識を飛ばさないとかバケモンかよ!」
好都合だ、と男はAの胸ぐらを掴む。
そのまま無抵抗のAの顔を殴っていく。
「覚えてねぇだろうな、俺の事なんてさ。でも!俺はお前のせいで……!!!」
「…ッ………。」
殴られすぎて痛みも感じ無くなっていく。
「へへ、種明かししてやるよ、俺は陸だ。思い出せよ、斎藤陸をさァ!!!」
狂ったように叫びAにそう言った。
「り、く、……?」
腫れて開かない目を必死に開けてAは呟いた。
それは男、基斎藤には聞こえていた。
「ああ、思い出したか?…それとも殴りすぎて記憶も吹っ飛んだか?」
「…ご、…ぁ、…い、……。」
「あ?」
・
「ご、めんな、さぃ、……!」
「…ごめんなさい?そんなんで許されると思ってんのか?」
ゴッ…!
「ぐ!」
息切れをする斎藤にAはごめんなさい、と連呼した。
「俺は、あの時、お前にボコボコにされて、未来にも逃げられて、入院した。」
「俺には恐怖しか残っていなかった。何度やめろと言ってもやめないお前の顔が脳裏にこべりついて消えない。」
「だから俺はお前に復讐することにした。俺が抱えた苦しみをお前にも味わってもらうためにな。」
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もちまる - 面白いです!更新楽しみにしてます(*´`*) (2018年11月4日 23時) (レス) id: baed5daad7 (このIDを非表示/違反報告)
オキ(プロフ) - 主人公の京子ちゃん溺愛っぷりいいですねw更新頑張ってください! (2018年11月4日 22時) (レス) id: 0da5fa57f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きょーりん | 作成日時:2018年11月4日 19時