*昔 ページ22
ポツンと公園に残されたAは忌々しい記憶を辿りながらこの辺りを徘徊することにした。
ここの公園は中学校にとても近くすぐ目に入る所に中学校がある。
嫌でも視線に入ってくるのだ。
断ち切ったはずなのに。
終わったはずなのに。
ここに来ただけで全てが腹の底から這い上がってくる。
それは全て恐怖だ。
「っ、……。」
そっ、と自身を抱くように腕を回したA。少し震えていた。
「……忘れるわけ、……ないよ、…。」
ーーー
ーー
ー
彼女、敷嶌Aの容姿は少し他と違った。
瞳が紅いのだ。
幼稚園までは特に気にすることも無く、気にされることもなかった。
しかし小学校にあがると、すぐにその瞳を否定された。
「気持ち悪い。」
言葉足らずのその暴言に幼いAは傷ついた。
いじめにもあった。
暴力を振るわれ身体中に痣があり、消えることは無かった。
六年生になりやっとこの地獄から開放される、そう思った。
しかし現状は変わらなかった。
中学生から発せられる言葉も小学生と同じだった。
うんざりだった。
ただ殴られて、蹴られるのは。
何故、彼らは私を殴ることを許されているの。
何故、彼らは私を蹴ることを許されているの。
それなら私だって殴っていいじゃない。蹴ってもいいじゃない。
それが彼らが持つ権利だと言うのなら私にだってあるじゃない。
同じ、人間なのに。
・
それからAは喧嘩に明け暮れるようになった。
最初はストレスを発散するためだった。
それがヒートアップしていき、いつの間にか強くなっていた。
誰も仲間もいない、紅い目をした孤高の獅子。
(これが、上に立つ者の気持ち、……なんて、なんて虚しいのだろう。)
Aは一人だった。
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もちまる - 面白いです!更新楽しみにしてます(*´`*) (2018年11月4日 23時) (レス) id: baed5daad7 (このIDを非表示/違反報告)
オキ(プロフ) - 主人公の京子ちゃん溺愛っぷりいいですねw更新頑張ってください! (2018年11月4日 22時) (レス) id: 0da5fa57f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きょーりん | 作成日時:2018年11月4日 19時